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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
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は九割ほど。ソラに至っては、まだ満タンのままだ。
「グオオオォォォアアア?」
?今まで一番大きい咆哮がなる。地面と空間が震えて、反射的に僕は顔をしかめて顔の前に両腕をやる。
「なっ……!」
?思わず目を見開く。ドラゴンの砕けた鎧の付いた背中から何かが生えてきたのだ。
?メキ……メキ……と音をたてながら、次第にそれは形を成していき――ついには二つの翼になった。そのコウモリのような翼にも鎧と同じように鉱石でコーティングされている。
?唖然とその光景を見ていると、翼は羽ばたき、その巨体が空中に持ち上がる。ドラゴンが飛ぶのと同時に部屋の天井の方にも灯りが点く。天井はかなり高く、目測だが十五メートルはあるだろう。
?守護龍は僕とソラの攻撃が届かない高所まで上昇したあと、急降下を始めた――ソラの方に向かって。
「ソラ――――!?」
?僕はいつの間にか離れた場所にいる男の子に絶叫し、駆け出していた。ソラもダイブしてくるドラゴンの方を見ながら、僕の方へ走る。だが、ドラゴンはソラを完全にターゲットにしているらしく、どれだけソラが移動しても、落ちてきながら合わせてくる。
?恐らく、あれをソラが受けたらHPゲージは八割以上減り――最悪、全損する。絶対に避けなければいけないことだ。
?それから逃れる方法は、僕にはひとつしか思い浮かばなかった。
「ソラ!?はやく転移して!」
?僕の言葉に、ソラは一瞬躊躇したあと、ポケットから転移結晶を取り出して掲げる。
「転移!《シャイラル》!」
?ソラの体が青い光に包まれて転移が完了した直後、一、二秒前にソラがいた場所にドラゴンが頭から落ちる。ギリギリセーフだ。無意識に息を深く吐いていた。あとから来た風圧に両腕を交差させてガードの構えで吹き飛ばされないように堪えながら、これからのことを考える。
?アイテムストレージには、すでに十個以上鉱石が入っている。一応僕の目的は果たしたわけだ。僕もソラと同じくここから離脱しても問題はない。
?だけど、僕のゲーマーとしての魂が――意地がそれを許さなかった。というか、ここで退いたら絶対に後悔する。こんなドラゴンの情報は、攻略組の間でも噂ひとつたっていない。こいつを倒した最初のプレイヤーに、僕はなりたい。
?僕は曲刀を構え直し、ヘマタイト・インゴットの守護龍と対峙する。
?これからの戦いは、一人ぼっちだ。だが、別に悲観することはなかった。基本的にソロの僕は一人で戦うことの方が多いのだ。慣れたものだし、いつも通りに戻っただけ。
?今、ドラゴンは落ちてきて地面に足がついている。――今なら、攻撃が届く。
?地面を強く蹴る。その勢いを乗せて鎧のついてない前足を斬りつける。鎧がなくなっても基本的な防御力は高いらしく、少しだけしか減少しない。
?ソードスキルを使えば倍以上減るんだろうが
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