暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
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いかな。まだこの鉱石は世間に出回ってないと思うし、すぐに注目が集まると思うよ」
「でも、そんなの、それこそ悪いわよ。売ってお金にしたりした方がいいんじゃない?」
「お金ならどうせすぐに貯まるし、そんなのにするぐらいなら欲しい人にあげるよ。まあ、リズがいらないって言うんなら容赦なく売るけどさ」
「ぐっ……」
?リズは押し黙った。やはり、何やかんや言って欲しいらしい。アルゴ曰く、今武器職人のなかでは話題の鉱石らしいし、リズが欲しくないわけがないのだ。
?目の前の少女は数秒間しっかりと悩んだあと、
「……ほ、本当にいいの?」
「もちろん」
「なら、ありがたくもらうわ。ありがとう、ユウ」
「こちらこそ。……じゃあ、多分またすぐに顔出すと思うから。ありがとね、リズ」
?トレードを完了してから、僕は部屋から出ようと扉に向かって歩く。そして、ドアノブに手をかけた瞬間――
「――ねぇ、ユウ」
?不意に背中から話しかけられた。僕は後ろを振り向く。そこには少しだけ下を見てから、真剣な顔持ちをして僕の方を見るリズの姿があった。
「何?」
「はじめてあたしたちが会ったときのこと、覚えてる?」
「うん、もちろん」
「あのね、こういうの聞いたら変かもしれないんだけど……」
「うん」
「何で、あのときあたしに武器を作ってって頼んだの??あのときのあたしは……今よりもまだまだ鍛冶屋として未熟だった。攻略組のユウなら、他に腕の良い鍛冶屋を知ってたはずでしょう??……どうして?」
「…………」
?僕は、何も言わずにリズを見る。いつもしっかりもので、面倒見が良い女の子、というイメージしかなかった僕は、正直リズがそんなことを考えてるなんて考えもしなかった。今のリズは、いつもの彼女とは少し違って見えた。
?少しだけ目を伏せて、はじめてあったときのことを思い出す――あのときのリズの顔、そして彼女の作った武器を思い出す。そして、もう一度リズに向き直る。
「確かにリズの言う通り、攻略組のなかで有名な鍛冶屋はいたし、知ってはいたよ。……だけど、僕の求める鍛冶屋じゃなかったんだ。自分の実力に溺れて、自慢するように見せつけるだけの武器。そんなのばかりだった。だから、僕は他に鍛冶屋を探すことにしたんだよ」
「…………」
?リズは静かに僕の言葉を聞いている。
?攻略組にも鍛冶屋は確かに存在した。だが、三層の攻略時期ぐらいに鍛冶屋による悪質な武器の盗難があったのだ。別にその鍛冶屋について別に悪く言うつもりはない。話を聞く限りだと、首謀者は彼ではなかったらしいし。
?僕が思ったのは、攻略組の人をターゲットにしている鍛冶屋は自分の武器を盗むんじゃないか、ということだ。その事件以降、僕は攻略組に付いてくる人たちに対して、警戒心を抱くようになった。
?それらから逃れると言
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