暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
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のNPCが立っていた。リズはカウンターまで行き、おばさんに話しかける。
「すみません、奥のを使いたいんですけど」
?リズの言葉に、おばさんは快くうなずいたあと、カウンターに入るための扉を開けた。僕は頭の上にクエスチョンマークを浮かべながら、リズの後ろを歩く。
?カウンターのなかに入り、奥にあった通路を進んでいくと、ひとつの部屋にたどり着いた。リズがその扉を開けてなかに入る。僕もそれに続いた。
?そこには、大きな炉や回転式の砥石など武器職人のための設備が十分に整っていた。なるほど、だからリズはここを拠点にしたのか。彼女の他にここに止まっている人たちも、きっと武器職人なのだろう。
?新鮮な光景に、僕はキョロキョロと辺りを見渡していると、炉の近くで鍛冶用のハンマーを握ったリズがおかしそうに笑いながら言った。
「そんなに珍しい?」
「うん。今まで何回もリズに武器を研いでもらったり、作ってもらったりしてたけど、その現場を見たことはほとんどなかったからね」
「そう言えば、そうだったわね」
「ねぇ、邪魔にならないならでいいんだけど、武器を作るところを間近で見てもいいかな?」
「別にいいけど、そんなに面白くはないと思うよ?」
「そんなことないよ、きっと。僕からしたらだけど」
?それにこんな現場に立ち会う機会は、そうそうないだろう。是非見たい。
?リズは色々とセッティングしてから、腰に手をあてた。
「――よし、準備完了。じゃあ、ユウ。頼んでた鉱石、もう一回出してくれる?」
「うん、わかったよ」
?ウインドウを操作して、もう一度鉱石を取り出す。そして、リズにしっかりと手渡した。
「……きれいねぇ」
「そうだね。アクセサリーに使ってもいいんじゃないかな」
?そんなことを話しながら、リズが炉のなかに優しく鉱石を投下した。
?作業が始まった、と思い、僕は話を続けようとしていた口を閉じる。
?少し時間がたってから、リズが慣れた手つきで炉から十分に焼けてオレンジ色に光る鉱石を取りだし、台の上に置く。炉から出るかなりの熱気に、僕は思わず汗が出そうになる。だが、そんなことは気にならないほど、僕は目の前の光景に目を奪われていた。
?リズはハンマーを強く握り直したあと、大きく振りかぶって鉱石を叩いた。カーン!?という澄んだ音がして、火花が盛大に飛び散る。
?そこから先は、素人の僕にはわからない――鍛冶屋と鉱石だけの世界だった。一定の間隔で鉱石を無言で叩くリズの顔には、さっきまでの女の子らしい笑顔は一切消えていた。完全に鍛冶屋の――武器職人の顔だった。
?鉱石が叩かれる度に、その輝きは増していった。何回、何十回、何百回と叩かれていく。鍛えられていく。
?そして、カーン!?と一際高く鳴り響いたあと、鉱石が今までで一番強く輝いた。あまりの眩しさに僕は思
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