暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
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んなに頑張ったのに……嘘だろ……。
?僕の顔を見て、リズが「やば」というような顔をする。あれ、やばい。視界が霞んできた。
「だ、だから、あたしが今拠点にしてる宿屋で作るから、あんたも来なさい!?ほらっ、男の子がそんな簡単に泣かないの!」
「……う、うん。ごめん」
?目元をゴシゴシと乱暴に拭って、鉱石をストレージに戻す。ここで使わないなら持ってたって邪魔なだけだ。
「じゃあ、早く行こう!? 早く行って早く作ろう!」
「ちょっと待ちなさいよ。こっちも色々と片付けなきゃいけないものがあるの。そこでおとなしく待ってなさい」
「はーい」
?リズが作業に戻っていくのを見てから、僕はフレンド欄を表示させた。そして、ソラの名前にタップする。表示されている場所からして、どうやら今は街か村のなかにいるらしい。あらためてソラがこの世界にまだいることに安心する。
?メッセージ機能を使って、ソラに伝えるべきことを綴っていく。ソラの安否確認、そして僕自身の安否、明日の待ち合わせ時間と場所を指定してから、ざっと誤字脱字がないか見直したあとに送信。
?一分ほどたつと返信が返ってきた。小学生らしい単調な文で、僕の言葉への返事が書かれてあった。明日の待ち合わせで向こうも問題ないらしい。
?確認し終わる頃には、リズの片付けも終わったようで、軽く肩を回しながら僕の方に近づいてくる。
「お待たせ。悪いわね、待たせちゃって」
「いや、いいよ。僕はカタナ作ってもらえればいいからね」
「はいはい、わかってるわよ。それじゃあ、行きましょうか」
?そう言ったリズが歩いていく。僕はウインドウを閉じてから、リズのとなりを歩き始めた。
「そう言えばユウ、あんた、使ってた《雨雲》はどうしたのよ」
「あー……うん。壊れちゃった」
「はあ!??あれって、あのときのあたしが持てる限りのかなり上質な素材で作ったんだけど!?それを壊したの!?」
「うっ、ごめん……大事に使ってたんだけど、どうしても酷使させ過ぎちゃって。でも、あれがなかったら、たぶん僕は鉱石ゲットできなかったと思う。本当に助かったよ。――最後までいいやつだったよ、あいつはさ……」
「良い話風にして、誤魔化すんじゃない!」
「ごめんなさい!?でも、本当にあれは仕方のないことだったんです!?許してください!」
「はあ……もういいわよ。ユウの助けになったんなら、それでいいわ。――さあ、着いたわよ」
?そう言われて、僕は目の前にある建物に目をやる。
?リズの言っていた宿屋は、かなりシンプルな造りだった。三階建てのレンガ荘で、これと言った特徴は今のところ見当たらない。何でこんな場所を選んだんだろう、と思いながらリズと一緒に中へ入る。
?なかは外から見て思ったよりも広く、奥にカウンターがあって、そこにはふっくらとしたおばさん
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