暁 〜小説投稿サイト〜
一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
[11/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
までよりも少し大きな声で言った。
「ぼ、僕に武器を作ってくれませんか?」
?これが、少年――ユウとの出会いだった。

?それから武器職人とお客という関係が続き、お互いに敬語がとれて友達と呼べる関係になり、今に至る。
?そして今日。カタナスキルを会得した、とテンションが上がってあたしにユウが伝えてきた。
?これまでずっとカタナスキルが欲しい欲しい、と何度も愚痴るように言っていたから、それがどれだけ嬉しいのかはわかってるつもりだ。
?そして、そのはじめて使うカタナを作る相手に、あたしを選んでくれたのだ。あたしも全力で応えたいと強く思った。
?だから、少しだけ無茶な要求をしてしまった。素材を調達するのは本当はあたしの領分なのだが、いまだ一度も出回っていない素材は、実際に取りに行くしかない。
?だけど、あたしは今まで数百、数千回ハンマーを振ることはあれど、武器を振ったことは片手で足りるほどだ。それで、あたしの代わりにユウに取りに行ってもらったというわけだ。申しわけない、と思う気持ちは通常価格から差し引かせてもらおう。
「そろそろ、店じまいにしますか……」
?結局夕方には誰も来なかったことに、少しだけ残念な気分になりながら、品物として絨毯の上に出していた武器をストレージの中にしまっていく。
?立ち上がり、大きく伸びをして、あたしの後ろにある携行炉をストレージにしまい終わったあと、駆け足が聞こえたかと思うと、後ろから数時間前に聞いた声が聞こえた。
「――――え、えっと、まだやってるかな??リズ」

???*

?息が上がりながら、エプロンの紐が結ばれている背中に声をかける。ゆっくりとこちらを振り向く。そばかすのついた僕よりも少しだけ幼く見える可愛らしい顔にある目は、少しだけ見開いていた。そして、そのしたの小さい口からは、大きなため息が吐かれる。
「……本当に夕方に来るとは思わなかったわ……」
「有言実行ってやつだよ」
「それで、もう取ってきたの?」
「うん。そりゃあもうしっかりとね。いやー、なかなか大変だったよ」
?左手でメインウインドウを操作し、さっき採ってきたばっかりの鉱石を実体化させる。街に入ったことで元に戻った右手の中にある夕日に反射して輝くのは、件のヘマタイト・インゴットだ。
「はいこれ」
「お疲れ様。ごめんなさい、本当はあたしが行かなきゃいけなかったんだけど……」
「昼にも言ったかもしれないけど、そんなの気にしないでいいって。僕の武器作ってもらうんだから、僕が材料採ってくるのは当然なんだし。……それで、どう??作ってくれないかな」
「もちろんよ。ただ……」
「ただ?」
「携行炉をもう直しちゃったから、これからここで作るのはちょっと厳しいのよね〜……」
「え……」
?絶望が僕に降りかかる。そんな……あ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ