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一人のカタナ使い
SAO編?―アインクラッド―
第二章―リンクス―
第15話?鏡血花
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になる足に叱咤して駆けていく。
?僕とドラゴンの距離が射程距離に入った瞬間、左手の曲刀を担ぐように構えた。ソードスキル《リーバー》の予備動作だ。
?さっきまでの駆け足とは比にならないほどのスピードで、距離を詰める。その速度のままドラゴンの右前足を斬りつける。
?単発で基本技とはいえ、ソードスキル。なのに、ドラゴンの一本目のHPゲージは一割も削れていなかった。うへぇ、これはかなり長期戦になるな……と辟易する。
?やはり、怯ませるほどのダメージ量ではなく、何事もなかったようにドラゴンが僕に向かって右前足で踏みつけようとしてくる。迫りくる前足を見ながら、技後硬直から解けたあと、素早く移動し、大きく跳ぶ。
?ズウゥゥゥン!?と音が鳴り、そのあとから衝撃波が同心円上に走る。これを避けるためにジャンプしたのだ。着地と同時に再度接近する。今度は左前足を二回斬りつける。そして、また距離をとってドラゴンの出方を窺う。
?と同時にソラはどこか、と探す。すると、ドラゴンの脇腹辺りに見慣れた姿が目に入った。持っていた短剣は輝きを放っていた。
?直後、ドズッ!?という音が部屋のなかで反響する。またわずかにだが、ドラゴンのHPゲージが減少する。
?やはり、レベル的なこともあり、ダメージ量は僕の方が多い。早くこの戦闘を終わらせるためには、僕が多く攻撃しないとダメなようだ。とはいえ、僕もそこまで攻撃力は高い方ではない。ドラゴンからしてみれば、僕たちの攻撃など蚊に刺された程度だろう。
?何より、ソラには攻撃を向かせない、それぐらいの心持ちでいかないければ。もし、ソラが一撃でももらってしまったのなら、多分レベル的に考えて一気に半分近く減るだろう。つまり、僕はソラよりも迫ってくる攻撃を何とかしながら、ソラよりも攻撃を与えなければいけないということだ。
?――それなら……!
?今だ僕の方を睨み付ける鋭利な目線をしっかり受け止めて、突進する。近づいてくる僕を見ながら、ドラゴンはそのアギトを大きく開く。
?やっば……!?
?そう告げる直感に素直に従い、僕は足に急ブレーキをかけて方向転換しようとする。膝の関節辺りに負担がかかり、顔を歪ませてでも軌道を変えようと試みるが、ほんのわずかに反応が遅れる。
?大きく開かれた口から、すさまじい熱量が放出された。
「くっ……!」
?回避するのは間に合わない。なら、正面から受け止めるしかない。左手の武器が青い光を放つ。
?直後、ドラゴンの炎ブレスと僕のソードスキルが激しくぶつかり合った。
「ユウ兄ちゃん!」
「大丈夫……っ!」
?ソラの驚愕の混じった声に、無意識に普段よりも音量が大きくなりながら応える。
?曲刀ソードスキル《スルーイングサイズ》。
?名前の通り、武器を自分の前で旋回させ、円盾をつくる防御のための剣技。
?一
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