4部分:第四章
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第四章
「外に出れば素晴らしい破壊兵器が待っておるぞ」
「そんなのに待ってもらってもな」
「仕方ないけれど」
彼等の言葉は至極常識的なものだった。
「まあそれでもどんなのができたのかな」
「見てみようかな」
「それで博士」
小田切君はいぶかしむ顔で博士に声をかけた。
「どうなったんですか?本当に」
「言葉通り千体できた」
博士は高らかに言い切ってみせた。
「サービスでもう千体造っておいた」
「つまり二千体ですか」
「そうじゃ。凄いじゃろう」
「そうですね」
あまりというか殆ど身の入っていない今の小田切君の返答だった。
「まあ二千ですからね」
「残念じゃが巨大ロボットは一体じゃ」
それは一体だというのだった。
「しかしじゃ」
「その一体に何かあるんですね」
「その一体にこれでもかという程詰め込んでおいた」
こう言うのである。
「まさにあのメカゴ○ラと同じ程にのう」
「それはまた随分と悪質なものですね」
小田切君は無意識に博士の開発したもの全てに抱いている感情を述べた。実際のところはこう感じているのである。しかし博士はそんなことは気にしてはいなかった。
「それはよいことじゃ」
「悪質なのがいいんですか」
「あえて世界や人類にとって迷惑なものを開発する」
博士は確信犯であった。
「だからじゃよ。悪質ならばそれでいいことじゃ」
「そうですか」
「そうじゃ。とにかく外じゃ」
またここで外に出るように勧める小田切君だった。
「外に出て見てみるのじゃ」
「はい。それじゃあ」
「行こうか」
「そうだね」
ライゾウとタロもそれに続く。こうして外に出てみた彼等が見たものは。一面に展開しているあの不気味なマスコットであった。
「うわ・・・・・・」
「本当に一杯いるね」
その不気味なマスコットの軍団を見てライゾウとタロは思わずその顔を顰めさせて声をあげた。実に不快感に満ちた声であった。
「いなくてもいいのにな」
「本当に二千体いるかな」
「わしは嘘はつかん」
博士は決して嘘はつかない。悪夢のような兵器を開発することはあってもだ。
「決してな」
「じゃあ本当に二千もいるのかよ」
「僅か二日で造るなんて」
「何度も言うがわしの辞書に不可能はない」
この博士がそんな能力を身に着けていると世界にとって実に迷惑である。
「二日あれば充分じゃった」
「そうなのかよ」
「充分だったんだ」
「そしてじゃ」
博士はさらに言うのだった。
「巨大ロボットはじゃ」
「ああ、そういえば」
小田切君は巨大ロボットの話が出たところでその外を見回した。しかし見たところそうした剣呑極まるものは何処にも見えはしなかった。
それにほっともしていたが。とりあえずそ
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