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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
S t o r y 1 0 Your future is ending ?
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んだ。唖然としてるほんの僅かな間に、ナツが目の前にまで迫っていた。

「アオイが教えてくれたんだ。お前が()()で造形してることをな。」

先程アオイがナツの耳に囁いたことは、砲弾を避ける作戦とこのことだったのだ。ナツの声は、ミルバの耳には聞こえていない。迫りくる恐怖に、ミルバはただただ怯えていた。

「俺の仲間に造形魔道士がいてな……」

そう言うナツの脳裏に浮かび上がるのは、喧嘩相手でもある、熱き心を持った氷の造形魔道士―――――。

「ソイツの師匠が言ってたんだってよ。」

灼熱の炎を纏った両拳を合わせ、火竜(サラマンダー)が吼えた。

「「片手での造形はバランスが悪くて、肝心な時に力が出せねェ」ってな!」
「グアアアアアアアアア!」

ナツの攻撃をまともに食らったミルバは遠くに吹っ飛び、体を壁に強打しその場に崩れ落ちた。

「ふぅ。やっと片付いたな。」

首と両肩をぐるんぐるん回しながらナツは安堵した。

「アオイ、腕は大丈夫か?」
「あぁ。骨は折れてねェみてーだから、何とかな。ハッピーも無事だぜ。」
「あい。この通りです。」

負傷していない左腕でハッピーを抱き抱えたアオイにナツが声をかける。アオイの右腕は骨は折れていなくても、やはり力無くぷらーんと垂れ下がっていた。その腕を、ナツはしゃがんで優しく触れる。

「お前、よくこんな細っこい腕で、こんなデカい刀持って戦えるよな。」
「相手も羨ましがってたもんね。」
「う、うるせーな。筋肉の付き方が特殊なんだよ俺は。」

腕と青竜刀(セイリュウトウ)をまじまじと交互に見つめながら言うナツとハッピーからアオイは慌てて視線を逸らした。

「お前ってホント、“女”みてーだよな。」
「っ!」

笑いながら思ったことを素直に、悪気なく言ったナツの言葉に、アオイは息を呑み、青玉(サファイア)のような色をした青い瞳を僅かに、一瞬だけ見開いた。そして危うく開きかけた口を慌てて閉じた。そのことに、ナツとハッピーは気づかなかった。

「そ、そんなことより!ウェンディ達の居場所、コイツ等に聞かなくてよかったのか?」
「アオイの言う通りだね。でないとオイラ達、シャルル達を助けれないよ。」
「あ!そーだった!おいコラ!ウェンディ達はドコにいるんだ!?」

話を逸らすようにアオイがぶっきらぼうに言い、それに続いてハッピーも言う。言われて気づいたナツは、倒したばかりのミルバの服の襟を掴み、上下にガクガク揺さぶるが……

「……完全にのびちまってるな。」
「あい。」
「だーーーっ!くそーーーーーっ!」

揺さぶってもミルバの首がガクガク揺れるだけだった。

「しゃーねェ。こうなったら手当たり次第でいくしかねェな。」

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