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東方大冒録
VS永遠亭その2。 〜決戦〜
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いたの?」
「ぐっ……」

悲しいことだが、マガイモノの言うとおりだった。思えば、いままで自分がしてきたことと言えば、永琳の薬の調合の手伝いや薬の配達、医学の勉強くらいで、何かを護るための訓練はしてはいたが、おろそかにしていた。その結果がこれだった。師匠の偽者だとか言う輩を相手に、完膚なきまでに打ちのめされて、もはや打つ手がなくなっていた。

「さてと、使えない子がいても邪魔なだけだものね」

そういいながら永琳のマガイモノは指をパチンとならし、すぐ横に鈴仙のマガイモノを召喚した。

「死ぬよりはましだと思いなさい」

そしてそういい放つと同時に、鈴仙のマガイモノが本物の頬に手を添えて、

「無様ね」

たった一言添えたと同時に、マガイモノが手を添えた頬から影が少しずつ本物の身体を蝕んでいく。

「うぅっ……」

蝕まれて行く中で、鈴仙は自分の愚かさに涙を流さずにはいられなかった。もっと真面目に鍛えておけば。もっと自分が、感情にまかせて行動せずに、落ち着いていれば……。

(姫様……、師匠……、てゐ……。ごめんなさい……!!)

鈴仙の身体を、影がほぼ完全に蝕んだ、その時だった。














ズパァン!!












肉を断つ音と共に、

「なにを悲劇のヒロイン気取ってんだこのアホうさぎ」

感情が無いようで怒りのこもった低い声が、鈴仙の耳に聞こえた。

「なっ!!?」

突然のことに理解出来ていない鈴仙のマガイモノに、

「オラァッ!!」

低い声の主は身体を回転させ、左手による渾身の裏拳を叩きつけた。鈴仙のマガイモノはその衝撃に耐えきれず、その身体を破裂させた。

「なに……、が……?」

本物の鈴仙は、なんとか声の主を見ようと顔をあげた。するとそこには、

「全くよぉ、カッコつけるだけみじめなだけなんだから、猫の手も借りとけっての」
「く、暗基零……!?」

鈴仙が毛嫌いしていた、暗基零が呆れた顔をしながら鈴仙を見下ろしていた。

「な、何しに来たのよアンタ……!!?」

暗基が一体どうしてこの永遠亭に来ているのか、鈴仙にはまったく理解できなかった。暗基は鈴仙の言葉に、

「おまえ、あとで死刑確定してるからな」
「えっ、ちょっと、どういうこと!!?」

そう答えて、鈴仙のマガイモノを封印し、本物の鈴仙を無視しながら永琳のマガイモノに向き合った。

「おい永琳のマガイモノ。なんだってあんなよくわからねぇものを仕向けた?」

暗基は永琳のマガイモノに、いままで自分に仕向けてきた者に対しての怒りをぶつける。

「あら、私の作品に対して随分とひどいことをいうのね
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