危険信号と選択
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く。
「大丈夫そうだったか?」
「多分ね。傷っぽいのはないと思う」
「いや、そうじゃなくて・・・」
「?」
「・・・なんでもない」
士道が何を言おうとしたかは分からないが、それ程ためらうことなのだろうか?
「あ、そういえば琴里がお前と話したいって」
「うん。分かった」
「それと、家事全般は任せとけ!いつものお返しだ」
「お〜凄い」
相変わらず気の抜けた声で褒めるも、それはちゃんと心がこもっているのだと、士道は分かり、心から少し嬉しさが込みあがる。
「遅かったわね」
リビングに入るなり、可愛らしい声が二人をお迎えする。
先程と違い、赤い髪を黒いリボンで括り、口にはチュッパチャップスを含んでいる士道の妹・琴里が仁王立ちをしている。
「遅くないよ」
「うっさいわね。私に意見すんじゃないの」
「なんとも理不尽な妹・・・」
士道にしか聞こえないようにそう言うと、うんうんと心の底から同感した士道は大きく縦に首を振った。
「なに?」
「なんでもない」
「・・・まぁいいわ。狐珀、精霊としての貴方の力の話だから、十香や士道に聞かれたくなければ場所を変えるけど」
いきなり先程の折紙のように深刻な顔をし始める琴里の台詞に、眉間にしわを寄せた。
「・・・ボクの部屋には折紙が寝てるから、元お母さん達の部屋でいい?」
「えぇ」
それだけ言うと、こっちこっちと手を動かし、琴里を後ろに、狐珀は生前、両親の部屋だった場所に案内する。
そこには、関門開きの仏壇がポツリとあるだけで、これといって何か特別なものがある訳ではない。
「・・・ここでいいの?」
「うん」
隣に折紙がいることが不安だが、狐珀は、押し入れにしまっていた座布団を二つ取り出し、一つを琴里に投げると、ある程度距離を置き、座る。何とかキャッチした琴里は、怒る気力も無くなり、座布団を置き、その上に慣れない正座をする。
「で、本題は?」
「貴方の精霊として、調べさせて貰ったわ」
「うん」
「で、貴方の力をある程度予測したのよ」
「ほほう」
興味があるのか、狐珀はあぐらの体制から少し身体を前のめりにした。
「何かを奪う能力・・・合ってる?」
「ピンポン。正解」
一瞬も焦らす事無く、狐珀は正解を告げると、合ってるか合ってないかの不安が一瞬で消えたせいで、少し体制を崩してしまった。
「なんで分かった?」
「今日の映像を解析してみると、狐珀の目の前で弾丸とミサイルは消えたのよ」
「よく分かったね」
そう、あの時、狐珀はミサイルと弾丸を奪っていた。もっと言うと、体内に取り込んでいるのだ。勿論、それは今も狐珀の体内にあるが、体外に出る時にその元の形となるのみで、体内にそのまんま弾丸とミサイルが入っている訳ではない。
「そこで質問よ。貴方のその能力は、物体を持たない
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