危険信号と選択
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ゃぁ、誰かがつまみ食いしないように見ておいて。特に琴里」
スプーンを五つ持った狐珀が、金色の眼光を狐珀へと向ける。
そこには、今、まさかの素手でジャガイモを取ろうとしている琴里がいた。ビクッと肩を大きく動かすと、そろ〜りと腕を戻していく。
「ぬ、承諾した」
それに何故か敵対心のようなものを生み出した十香が、再び足早に向かうと、士道の前を通り、士道の隣に座ると、ドリアと琴里を目だけ動かし、監視し続けている。
「・・・てい」
その隙につまみ食いしようとしていた折紙の頭に昼間の時よりも軽くチョップを喰らわす。
「・・・バレた」
「一度程度ならおかわり出来るから待って」
そう言うと、つまみぐいをしようとしていた琴里と、よだれを垂らしそうな程待ってくれていた十香の顔がぱぁっと明るくなる。折紙は顔が変わらないのでよく分からないが、少し嬉しいようだ。
「「「いただきます」」」
皆がパチンと手を合わせると同時に、揃って言うと、自らのスプーンで近くの部分を根こそぎ奪っていく。
流石に五人もいると、想像以上に早く減るもので、話をしたりしているので20分程度で一杯目が終了してしまった。
しかし、こんなの想定内。三十分前に、第二号をレンジに入れ、温めておいたのだ。
チンという音を発すると、米粒一つない大きな皿をキッチンに置き、レンジの中から先程よりも大量に入ったこれまた白い先程よりも大きな皿に入ったドリアが机に置かれる・・・と、同時に構えていたスプーンをドリアにつっこみ、琴里と十香、そして折紙が取りあげると、小皿に移し、ある程度冷ましてから口の中に入れる・・・が、1、2秒で冷める訳も無く、口の中でどうにかして熱いのから逃れようとする。しかし、そんなのお構い無く、狐珀は口の中に含む。勿論熱いが、熱くなければドリアではない。そして、モグモグと口を動かし、とろけるチーズとスパイスなカレーが口の中に広がっていき、狐珀の腹を、味覚を満たして行く。
「「「ごちそうさまでした」」」
二皿目が終えた後、皆がパチンと手を合わせる。
「キツネはこんなにも料理が上手かったのだな」
「急いでたから・・・」
「キツネは謙虚なのだ〜」
腹がもうパンパンだが、相変わらずいつも通りというか、二人は幸せそうだった。
その中、士道が大皿を持ち上げ、キッチンに持って行くと、洗っていなかった食器も含め洗ってくれた。
と、その時、折紙にちょっと来て、と言われ、ぐいっと腕を引っ張られる。しかし、何故ここまで力が強いのか・・・
「二人しか入れない場所ある?」
「・・・ボクの部屋くらい」
それにそう、と言うと、階段を上がり、狐珀の自室へと入って行く。
「なに?」
狐珀が動じず、首を傾げると、雰囲気で、何か、深刻な話をするのだと悟った。
「朝比奈狐珀、
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