危険信号と選択
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なれた士道の声が聞こえる。
「それ確認する必要ある?」
『念のためだ。んで、こっちに具材ないもんでそっちに食いに行っていい?』
「外食という素晴らしい選択肢」
『却下しまーす。とりあえず行くから』
「・・・」
なんという勝手な男なのだろう、そう思い、はぁと溜息をつきながら携帯を置く。
まぁこんなことも考えて、四人分の両は充分にある。おかわりが必要になったとしても、1回までなら作れる両が入っている。
米を洗い、炊飯ボタンを押し、とろけるチーズを適当にちぎり、昨日の残りのカレーを加熱する。
「・・・まぁいっか」
久しぶりに友人が来るというのは嬉しい・・・が、彼女(?)持ちというのがイラッと来るが、まぁ許してやろう。
慌てると料理の質が落ちるということは、人気の店の店長であった母からよく言われていたので、一個一個丁寧に、しかしある程度スピーディーに済ませて行く。
ある程度準備し終えた後、朝比奈家のインターホンが鳴る。押している間伸び続けるので、ピーーーーーン、ポーーーーーンと長く伸びる。
「・・・はいはい」
子供の頃、このインターホンが楽しくて、十秒以上押し続けたり、逆に短く小刻みにする日もある。そんなことを思い出しながら、エプロンのまま、扉を開ける。
「よぉ」
「・・・」
扉を開けたら、そこには、五河兄妹、夜刀神十香、そして、鳶一折紙がいた。全員別々の傘を開き、恐らく途中で車に水をかけられたであろう十香は、学生服が全てビッチョビチョになっていた。
「・・・まぁどうぞ」
想定外の折紙という新たなる人物に驚きを隠せなかったが、十香が濡れているし、全員も外で話をしたくないだろうから、とりあえず上がらせる。
「キツネ、シャワーは何処だ?」
「あぁ。そこを右」
上がるなり、十香はビショビショの状態のまま、タッタッタと風呂場に向かい、入っていく。勿論、地面に水が落ちない訳もなく、そこには、水の足跡と、その周囲に雨粒が落ちていた。
「すまん」
士道が呆れ混じりに謝るが、いいよ、それだ言い、リビングに入る。
やって来る途中に、レンジで温めるというところまで行ったので、余った時間でリビングを片づけていた為、汚くはない。
「意外と遅かったね」
相変わらず抑揚のない声を発しながら、フカフカソファに座った士道の後ろに手を置く。
「ん?あぁ、途中で鳶一と会ってな。ダメだったか?」
「大丈夫。よく食べるから元から6人分で用意してた」
「誰が食べるんだ?」
「ボク」
一時の間もおかず、狐珀が答えると、苦笑し、テレビに目線を向ける。
「キツネー!」
テレビを見ていた皆の耳に、十香の大声が聞こえる。
「どした〜?」
大声を出す気力など元からない狐珀は、聞こえる程度に風呂場に近づく。
「着替えがないぞ!」
「あ〜・・・
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