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衛宮士郎の新たなる道
第19話 箱根へ
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 こうして、ゴールデンウィーク初めの騒動は終息した。


 −Interlude−


 この騒動を起こしたチンピラ3人組は、既にパトカーに乗せられて署に送られた。
 事情聴取で士郎達や大学生グループも任意同行を求められたが、藤村組の名を出した上で、後日必ず聴取のために警察署に向かうと約束したので、士郎達も既にその場を去り、現在はまた車で目的地の箱根のホテルへと向かっていた。
 今はもう、高速道路を下り、目的地にかなり近づいて来ていた。
 車内は変わらず楽しそうだった。
 ちょっとしたハプニングで旅行にケチが付くと思う人達も居るようだが、川神市周辺ではよくある事なので誰も気にしない。
 しかし士郎は運転をしながら考えていた。
 本当はあそこまでのパフォーマンス的に事を治める必要は無かったのだ。
 瞬時に背後に回り込み気絶させればいいだけだった。
 過剰な人助けといちゃもんを付けられれば、先程の様に藤村組の名を使えばいい上、士郎自身も刀匠EMIYAで獲得した各地との有力者とのパイプも気づけているので、いざとなればそれも使えばよかったのだ。本当は。
 それらを理解した上での理由は当然ある。

 (あのパーキングエリア(場所)についてから見られている感覚があった)

 けれど最初はその視線の矛先が全体的に俯瞰するようなものだったので、何を目的にしているか判らなかった。
 その為、大学生グループを助ける時にパフォーマンス的にしたのだが、その結果に功を奏して変化もあった。

 (あの時全体から俺だけに変わった。しかも俺を値踏みするかのような感覚だ。暫く――――最低でも旅行中は4人と離れ離れにならないようにしないとな――――と、着いたぞ!」

 後方で寛いでいる4人に向けて言うと、まず始めに小雪が騒ぎ出す。

 「ウェーーーイ!ホテルだー!」
 「バッグ忘れるなよ、ユキ」
 「ふむ、中々いい場所だな」
 「元々は九鬼系列のホテルなんですよね?」
 「ああ、他の企業が安く買い叩いたらしいな」

 話に出た通り、士郎達が泊まるホテルは元々は九鬼系列の宿泊施設だった。
 それが半年前の件に加えて、冬木市の本部を置き関東全域に支配力を強める藤村組との確執により、幾つかの地域や施設からの撤退や売却などを迫られる結果になったのだ。
 その内の一つが此処、箱根の宿泊施設である。
 それを最近までは同列だったものの、今現在は九鬼財閥に一歩遅れている複数の大企業を取り込んだ『とある財閥』が買い取ったのだ。
 そして今日はその宿泊施設の最高級のスイートルームを3部屋予約している。
 士郎は自分の稼いだ金をある程度の貯金以外は決してため込んだりせず、今回の様な小旅行で使ったり、孤児を保護している施設や募金を必要と
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