暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
エピソード34 ーヒロイック・チャンピオンー
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』を発動し、墓地の『H・C 強襲のハルベルト』を手札に加える。さらにハルベルトは相手の場にのみモンスターが存在する時、手札から特殊召喚することができる。再び来い、強襲のハルベルト!
 カードを二枚伏せてターンエンド。」


 金城
 手札1枚
 LP4000
 魔法・罠伏せ二枚
 場
『H・C 強襲のハルベルト』

 シオン
 手札3枚
 LP100
 魔法・罠
 セット(『狡猾な落とし穴』)
 場
『アトラの蟲惑魔』
『カズーラのだが蟲惑魔』
『ティオの蟲惑魔』


「俺のターン、ドロー。」

 3ターンが経過し、金城の召喚した圧倒的な攻撃力を持ったモンスターが破壊された事で一度盛り上がりを見せたギャラリーは鳴りを静め、プロデュエリスト シオンのデュエルを観戦する。

「俺は『トリオンの蟲惑魔』を召喚。そして、効果を発動する。トリオンの蟲惑魔は召喚成功時、デッキから『落とし穴』、『ホール』と名のつく通常罠カードを手札に加えられる。『奈落の落とし穴』を手札に加える。」

「また、『落とし穴』か。それにそんな雑魚モンスター……。」

 金城が"雑魚"と口にした瞬間、シオンの冷静な態度の中に少し憤怒の色を濃くする。

「あんたもシンクロモンスターやエクシーズモンスターを持ってんだろ?なんでそんな低級モンスターばっか使うんだよ!」

 望月 シオンは数多の決闘において数は少ないが『ナチュル』と名のついたシンクロモンスターを使っているのは事実。
 金城の言葉を聞き、より不機嫌さを濃くするシオン。

「その"雑魚"にやられたモンスターはどこのどいつだよ。」

 ライフ100というハンデを背負いながらも、強気ーーそれでいて正論でもある発言に金城は返す言葉が見つからず、フラストレーションを募らせていく。

「リバースカードオープン『狡猾な落とし穴』発動。対象はハルベルトとアトラの蟲惑魔。」
「なっ!?自分のモンスターまで!」

 フィールド中央に空いた大穴にハルベルトがアトラに引きづり込まれる形で落ちていき、バリボリという咀嚼音が響いた後、アトラの蟲惑魔が素知らぬ顔で穴から這い上がってくる。

「ど、どういう事だ!アトラの蟲惑魔は破壊されるんじゃないのか!」
「蟲惑魔は『落とし穴』、『ホール』と名のついた通常罠カードの効果を受けない。
 彼女らは敵を誘い出し、罠へと嵌めるスペシャリスト。自分で仕掛けた罠で死ぬわけがないだろう?」

 これが一般とプロの差を示すかのようにさも当然と言ってのける。
 実際にその実力の差が与えるプレッシャーは金城を蝕み、さらにシオンの挑発的な言動に加え、たった一撃加えれば勝ちというすぐ手に届きそうな状況に金城は攻撃一辺倒なプレイングとなり、初タ
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