エピソード34 ーヒロイック・チャンピオンー
[2/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
が、金城はそんな些細な事など気にも止めずただただ自分の勝利を信じ、バトルフェイズへと移行する。
「バトルだ!行けっ、ハルベルト!アトラを叩き潰せ!」
これで勝った!と内心で歓喜し、ハルベルトで攻撃を仕掛ける。だが……
「……ーーから、トラップ発動。」
その刃がアトラへと届く寸前、地上へと開いた穴へと引きずり込まれ、そして、それに続くように後方で構えていたガーンデーヴァも引きずり込まれて行く。
「なっ!?」
突然起きたその光景に会場にいる全員が絶句する。
シオン一人を除いて。
「な、何が起きた!」
「俺は手札から罠カード、『狡猾な落とし穴』を発動!」
「なっ!?て、手札からだと!」
通常、一度伏せてから発動される罠カードが手札から発動されたのと、圧倒的有利だと信じていた布陣があっけなく崩壊し、絶叫する。
シオンはそんな金城など気にもとめる様子はない。
「『アトラの蟲惑魔』は表側で存在している限り、俺は手札から『落とし穴』、『ホール』と名のついた通常罠を発動する事ができる。
もちろん、相手ターンであってもな。」
シオンが言うと
会場の何処からか「卑怯じゃないか!」と不満を持った抗議の声が上がる。
それに対し、やれやれと肩を竦めると再び口を開く。
「どこが、卑怯なんだ?正当なルールに基づいたプレイングだ。文句があるなら、勝ってみろ。」
素人は疎か、そこそこの実力者ですら軽く捻る実力を有するプロのトップランカー相手に生徒が敵うわけがない。
圧倒的な実力者を前に会場の誰もが押し黙る。
「僕は、メインフェイズ2で……「まだ、終わってないんだけど?」
なにっ!」
シオンが煽るたびに面白いくらいに反応を示す金城。
怒れば怒るほど、頭に血が上れば上るほど、シオンの思う壺になるのを知らずに。
「『カズーラの蟲惑魔』の効果を発動。『落とし穴』、『ホール』と名のつく通常罠カードが発動された時、デッキから『蟲惑魔』と名のつくモンスターを手札に加えるか、特殊召喚できる。
俺は『ティオの蟲惑魔』を特殊召喚!
そして、『ティオの蟲惑魔』の効果発動!特殊召喚された時、墓地の『落とし穴』、『ホール』と名のつく通常罠カードをセットできる。よって『狡猾な落とし穴』をセットする。」
「っ!?これでまた使えるようになっただと!」
「ただし、あくまでセット。このターンは使えないし、デメリットとして次の俺のターンのエンドフェイズにフィールドに存在している場合は除外される。」
シオンは必要な事を済ませると、視線でさっさと進めろと催促する。
「ちっ。
僕は改めてメインフェイズ2に移行。そして、通常魔法『戦士の生還
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ