第18話「これから」
[1/4]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=遼side=
「....ここもダメ...か。」
玄関の扉を閉め、一軒家を後にする。
「...今日はここまでだな。」
今日も大した収穫はなし。あったのは少しの乾パンだけだ。
「ただいまーっと。」
学校の玄関のバリケードをくぐり、そのまま生徒会室へと向かう。
すると、反対側から由紀が走ってくるのが見える。
どうやら、太郎丸を追いかけているらしい。
「あっ、遼君捕まえて!」
「おー?...って、お前らなんでそんな汚れてんだ!?」
なんか緑に汚れている太郎丸と由紀。
とりあえず、太郎丸を捕まえよう。
「わん!」
「甘い!俺を回避したければ、二倍速になれ!」
フェイントで跳びあがらせ、そこを捕まえる。
「さっすが遼君!」
「...で、なんでそんな汚れてんだ?」
「えっと実は....。」
...どうやら、太郎丸が首輪を抜けて屋上にあった貯水槽で遊んでいたらしい。
それを由紀は追いかけてこうなってしまったと...。
「...他の皆は?」
「みーくんと圭ちゃんは部室で読書してたよ。胡桃ちゃんと蘭ちゃんは屋上で発電中。りーさんも部室にいると思うけど....。あ、めぐねえは私と一緒にいたんだけど、屋上でちょっと...。」
まぁ、いつも通りか。
発電に関しては、先日言っていた自転車による発電だ。
素人ながらもなんとか自転車を入手して組み立てる事ができた。
「...どうなったんだ?先生....。」
「太郎丸を捕まえようとして...。」
「あー...俺、先生の所に行ってくるわ。由紀はとりあえずその履きっぱなしの長靴を脱いで、太郎丸を洗っとけ。廊下の汚れは後でなんとかしておく。」
由紀にそう言っておき、俺は一度屋上へ向かった。
「....ぅぅ....。」
「あー...どうしよう...。」
「とりあえず、下の奴らに伝えてくるかー?」
屋上に着くと、先生のすすり泣く声と蘭と胡桃の会話が聞こえてきた。
「どうした...って、うわぁ...。」
「あ、遼。...どうしよっか?」
「どうするったってなぁ...。」
そこには、貯水槽の藻でドロドロに汚れてしまった先生が倒れこむように泣いていた。
「....蘭、俺が運ぶから先生を洗ってやってくれ。」
「え?私が?」
「俺が洗う訳にもいかないだろう。胡桃は美紀とかに説明をしておいてくれ。」
どうせ俺も汚れてるから、後でシャワーを使うからな。
だから別にさらに汚れても気にしない。
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ