2部分:第二章
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第二章
「今から」
「そうよ。ちょっとそこにも行くから」
その通りだというのである。
「悪いけれど今日はこれでね」
「ええ。それじゃあ」
「行くわ」
房江はすぐにその次の場所に向かう。そうしてだった。
次のイベントはコンサートホールだった。そこに紫のドレスを着た女性が不安な顔になっていた。
黒い髪を肩の長さでアップにしている。はっきりとした目鼻立ちをしている。それは確かな美人である。背は麗子より少しばかり高い。スタイルも胸が目立っている。
その彼女がだった。今そこで不安な顔をしている。その彼女の前にだ。すぐに房江が出て来た。
「お待たせ」
「あっ、マネージャー」
彼女に出会った映見の顔が急に晴れやかなものになった。
「麗子ちゃんのところはいいの?」
「もう終わらせたわ」
だからいいというのである。
「安心してね」
「そうなの」
「それでね」
こう話したうえで映見にさらに言う。
「いいかしら」
「ええ、何なの?」
「何か随分不安そうだけれど」
このことを言うのだった。もうわかっていたのだ。
「私がいるから大丈夫よ」
「いてくれるの」
「ええ、そうよ」
また言うのだった。
「だから安心して」
「そうなの。じゃあ御願いするわね」
映見は彼女のその言葉を聞いてほっとした顔になった。そのうえで次第に穏やかなものになった。
彼女はそれで安心した顔でイベントに出た。歌も無事にこなしたのだった。
房江はその彼女を事務所まで送ってそれで。今度は事務所で仕事をはじめた。
今度はデスクワークだ。夕方だが一向に終わる気配はない。
周りは次々に帰って行く。その中でまたスタッフの一人が彼女に声をかけてきた。
「あの」
「何かしら」
「今度のお仕事は」
「裕美ちゃんと有子ちゃんのよ」
それだというのである。
「高田裕美ちゃんと小林有子ちゃんのね」
「御二人のですか」
「二人共スケジュールが一杯だから」
つまり売れているというのだ。これはマネージャーとしては嬉しいことだ。しかしそれは同時に彼女にとっては多忙ということでもある。
「だからね」
「それで今日もですか」
「そう、今日もよ」
ここでにこりと笑った房江だった。
「残業よ」
「何か最近残業ばかりですよね」
「そうね。それはね」
彼女もこのことはわかっていた。とにかく忙しいのである。
それで朝から晩まで、である。あれこれと仕事をしているのである。
「それでね。今二人が共演している番組があるじゃない」
「天地有効!ですよね」
「そう、それね」
今話題のアニメである。
「それのスケジュールもしてね」
「それですか」
「有子ちゃんもメインキャラの一人だけれど」
まずは彼女の
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