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ソードアート・オンライン〜神話と勇者と聖剣と〜
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エターナル・ミィス
■years after
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 SAOでも。無事共に生還したあとの現実世界でも。
 手を繋ぎ、笑いあい、睦語を交わし、肌を重ねた。

 SAOで最も甘ったるいカップルは誰か、と、生還者(サバイバー)達に問うたならば、「《黒の剣士》と《閃光》、あるいは《神話の勇者》と《剣巫姫》」と答えるほどに。

 
 ならば当然だった。
 
 二人は、アンダーワールドの動乱を契機とする、SAO事件の完全集束とほぼ同時に、結婚した。
 
 イギリスの名家であるシャルラッハロート家の意向は、無視した。伽藍とソラシャは、駆け落ちしたのだ。

 やがて、子どもにも恵まれた。

 一人目は、小波(さなみ)と名付けられた。世界にどんな小さいモノでもいいから、変革を成し遂げる波を起こせるように、という意味だった。
 二人目は、清文(きよふみ)と名付けられた。どんなに辛くても、どんなに迷っても、透明に、純粋に、自分の物語を歩いてほしい、という意味だった。
 
 姉弟は、すくすくと育った。姉はソラシャに似て聡明に。弟は伽藍に似てやんちゃに。
 伽藍にとって唯一の不満があるとすれば、二人ともほぼソラシャの外見特徴を受け継がなかった事だが、彼女は二人が、伽藍との子どもであることだけで、幸せだ、と語った。

 
 だが、彼らには、『永遠』が訪れることは無かった。

 もしそれを、誰かが……『今』の誰かが知っていたのであれば。
 「遅すぎた」、と、言うのであろうか。

 
 ――――侵攻が、食い止められなかったのだ。

 何の?

 もちろん、《白亜宮》の。


 歴史の流れが、違った。
 
 『今』とは、流れが違ったのだ。

 SAOが、完結するよりも前に完結した『ジ・アリス』ではなく。
 SAOが終わってから遥か未来に完成した『ジ・アドバンス』でもなく。

 『ST000 パンドラ』は、SAOの動乱が潰えてから、六年後に覚醒した。

 誰も、止められなかった。

 或る時気が付いたら、世界は完全に白き少年神のモノになっていた。完全に《レギオン》の傘下に収まるということは、世界はそのレギオンに消費されるための燃料として扱われる、ということだ。

 つまらない、と考えた少年神は、世界中の英雄たちに力を与えた。

 勇者と剣巫にも力が与えられた。抗う為の力だ。


 けれど。


 二人が抗うことは、無かった。

 抗ったとすれば、それは。

「いいか、二人とも、しっかり生きるんだ」
「大丈夫、きっと、上手くいくわ」

 二人が。二人の愛の結晶を、()()()()()()()()()()()だろう。

 彼らは、変えたのだ。

 
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