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ピンクハウスでもいい
2部分:第二章
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ンクハウスは好みが別れる。
 店の中もだ。そのお伽話の様な服やアクセサリーで溢れ返っている。千佳はその中を進み店員さんにあの雑誌を広げて言うのだった。
「この服下さい」
 ページに付箋までしている。あの服のページだ。服の写真にはもう赤マルまでしている。その赤丸を指差してカウンターにいる店員さんに対して言ったのである。
「その服ですか」
「はい」
 千佳は店員さんの言葉にこくりと頷いた。
「ありますよね」
「すいません」
 ところが返って来たのは残念な返事だった。
「申し訳ありませんが今さっき」
「売れたんですか」
「そうなんです」
 店員さんは申し訳なさそうな顔と声で述べる。
「それで。その」
「ああ、ないんですね」
 もう言わずもがなだった。千佳はそこまで聞いて急激に落胆しきった顔になるのであった。それはもう奈落の底に落ちたかのようであった。

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