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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第48話:出産。男に出来る事は何もない。狼狽えるしか出来ないなんて情けない。
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のウルフと目が合うと、苦笑いをし横に付く事を許して貰う。
俺の気持ちが解ったのかな?
さて……気まずい空気が広がりそうなので、何か話題を探さないと。
そう思い玉座の奥にある王族プライベートエリアへの階段に目をやった。
今すぐにでも産声が聞こえてくると助かるんだが……
しかし産声はまだない。
思わず溜息吐きそうになったが、ティミーをこれ以上不安にさせない為に飲み込んだ。
んで気付いた。
「ウルフ……アイツ格好いいなぁ」
そう……玉座に座り左足を上に組み、腕も組んで右手は下顎に這わせるティミーの姿は、まさに王族!
俺の様な“なんちゃって王様”とは訳が違う。
当人は不安で仕方ないのだろう。
アルルが産気づいてから殆ど言葉を発してない。
今も必死に思い悩んでる姿が目の前にある。
ウルフはそんなティミーを見て、近くに居た兵士に声をかけ何かを持ってこさせた。
何を持ってこさせたのかは想像に難くない。
だって直ぐに戻ってきた兵士の手には、ウルフのスケッチセットが……
そしてスラスラと描き始めるウルフ。
相変わらず上手ー!
しかもティミーが
凄
(
すげ
)
ーかっけー!
よし、絵が完成したらこの部屋に飾ろう。
そうとなったらティミーの姿を固定させる為に、何か話題を提供しなければ……
何が良いのだろうか?
今現在のティミーの心理状況だと、出産に関係ない事柄だと頭が回らないだろう。
「ティミー……生まれてくる子供の名前は、もう決まってるのか?」
「え、名前!? ぼ、僕が決めるんですか?」
「じゃぁ誰が決めるんだよ?」
「そ、そうか……そうですよね!」
大丈夫かなコイツ?
まぁ俺も考えてなかったけどね。
そう言えば、誰の名付け親になってないなぁ……
「で、でも……男か女か判らないのに……如何すれば良いんですか!?」
「そんなの2人分考えれば良いだろ。男の子と女の子の2人分……仮に双子だったとしても4人分考えれば良いんだから」
うわぁ〜、簡単に言ってるぅ俺ぇ〜(笑)
「そ、そうか……名前か……か、考えます! 今考えます!!」
良いよ宣言しなくても。
大人しく考えさせるのが目的だし(笑)
そして暫くの沈黙が続く……
そしてウルフの筆が進む。
先程までの沈黙と違い、ティミーのソワソワ感が無いので、皆が落ち着いた表情になった。
「と、父さん……」
ウルフが3枚目作成に入ろうとした頃、ティミーが遠慮がちに話しかけてきた。
何だろうか?
「名前って……如何やって考えれば良いんですか!?」
「ぼ、僕が知るかよ! お前の子供だろ……父親が考えないで如何するんだよ!」
人の事言えないのにぃー!
「と、父さんは……僕の名前を如何やって決めたんですか?」
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