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バレンタインは社交辞令!?
1部分:第一章
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か自分でもよくわからないけれど」
 彼はアルコール度の強い酒は飲めないのだ。日本酒やワインまでならいけるのだがそれより上となると身体が受け付けない。自分でもわからないのだがそういう体質なのである。
「ちょっとね」
「そうでしたよね」
「何だよ、相変わらずかよ」
 太った男がそれを聞いて笑って浩太に声をかけてきた。
「御前そんなんだからな」
「おい坂下」
 浩太はここで彼の名前を呼んできた。
「それでも飲む量は御前と変わらないだろうが」
「あれっ、そうだったか」
「そうだよ。大体酒を飲む量なんか比べること事態間違いだろ」
「じゃあ仕事か?」
「そっちも何か一緒だしな」
 浩太もこの坂下卓も仕事は同じようなものだ。だからそちらでも張り合う程のものではないのだ。それはそれでライバル関係を持てそうなものだが生憎彼等はそうした感情は持ってはいないのだ。
「じゃあチョコレートの量だな」
「だからそれはもうよ」
 彼はまた話を戻した。
「皆義理チョコだろ。だったら意味ないだろ」
「それもそうか」
 卓はそれを聞いて納得したような顔を見せてきた。
「そうだよ。本命とかそんなのはないだろうが」
「せちがらいね、どうも」
「そもそも御前そんなにもてるのかよ」
 彼はそれを卓に言ってきた。
「もてるんだったらいいけれどよ」
「これでも大学時代はジゴロだったんだぜ」
「嘘つけ」
 それはすぐに頭から否定した。
「そんな体格でジゴロかよ。柔道部に入っていたって聞いたぞ」
 女の子にもてない部活の最右翼の一つである。他には相撲部等が候補であるとされている。
「柔道部でも俺は特別だったんだよ」
「何だ?特別持てなかったのか?」
「御前ねえ」
 そのあまりにもきつい言葉に卓もちょっとむっとしてきた。
「幾ら同期でも言っていいことと悪いことがあるぞ」
「じゃあ一度手合わせするか?」
 浩太は言ってきた。
「何なら」
「そっちも勝負にならないだろ」
 だが卓は彼に対してこう返してきた。
「俺は柔道だし御前は合気道だし」
「まあな」
「仕掛けて来なけりゃ何の意味もないじゃないか。俺だって下手には仕掛けたりはしないぜ」
 合気道は相手が仕掛けてくるのを応用して技をかける。だからこうした勝負は成り立たないのである。卓はそれを踏まえたうえで言ったのである。
「だからそれもなしな」
「わかったよ」
「それだからチョコレートだ」
「義理チョコの数でも競う合うか?」
「それでどうだ?」
 卓は提案してきた。

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