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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第四十九話 襲撃(その3)
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シュバイク両家に通じる者が出るのではないか、と言う事だ。そうなれば警備など行なっても何の意味も無い事になる。事実オッペンハイマーがそれをやった。だから閣下は…オッペンハイマーを見せしめにして、警備部隊を引き締めにかかった」
リューネブルク、キスリング、ヴァレリー、三人が俺を見詰める。俺は苦笑しつつ頷いた。
「そうですね。命令を無視すれば、たとえ副総監でも処断される。そうわかれば、警備に真剣になるでしょう。いいところで動いてくれましたよ、オッペンハイマー伯は。おまけにいいストレスの発散になりました」
「ストレスですか?」
「ええ、御偉方はすぐ厄介な問題を押し付けてきますからね。たまにはこういうのがないと」
キスリングとヴァレリーは呆れた様な、リューネブルクは人の悪そうな笑顔を見せている。なんか不本意だな。
■ ギュンター・キスリング
まったくこいつの人の悪さにはあきれる。ミサイルは打ち込むわ、銃はぶっ放すわ、それで真の狙いはオッペンハイマーだと。おまけにストレスが発散できた? リッテンハイム侯が聞いたら血管ぶち切れ、脳ミソ沸騰するぞ。こいつとアントンは姿形も性格も違うのにどうしてやる事が似ているんだろう。周りを巻き込んで本人だけは涼しい顔をしている。周りは皆苦労するよな、フィッツシモンズ大尉も大変だろう。俺とナイトハルトも苦労した。お前はいいよな、ナイトハルト。俺も宇宙に出たくなった…。
■ ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ
そういうことか…。狙いは警備部隊の引き締め。だからリューネブルク少将はあんなに落ち着いて、いや楽しんでいたんだ。あたふたした自分が馬鹿みたいだ。こんなので副官なんか務まるんだろうか。それにしてもストレス発散? 何考えてるんだろう。いつか必ずお仕置きしてやる。リューネブルク少将、あんたも一緒よ。あんた達二人は、私たちがあたふたしているのを見て楽しんでいたんだから。きっちり落とし前は付けさせてもらうわ。
■ レオポルド・シューマッハ
ヴァレンシュタイン大将が戻ってきた。彼はすぐ私の元にきて“揃っていますか”と尋ねてきた。憲兵総監クラーマー大将がまだだと答えると軽く頷いて奥の部屋に入る。部屋には既にエーレンベルク軍務尚書とリヒテンラーデ国務尚書の二人が来ている。
リッテンハイム侯邸での騒動を治めた後、ヴァレンシュタイン大将はエーレンベルク軍務尚書とリヒテンラーデ国務尚書、憲兵総監クラーマー大将をすぐ帝都防衛本部へ呼んで欲しいと私に連絡してきた。今回の件の報告を行なうのだろうが、果たして三人をわざわざ呼ぶ必要があったのだろうか。
■ エーリッヒ・ヴァレンシュタイン
「申し訳ありません。お待たせしました」
部屋に入り、待たせたことを詫びるとエーレンベルク軍務尚書とリヒテ
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