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ウェディングは華麗に
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第一章

                    ウェディングは華麗に
 岩本真由子は決意した。遂にという感じで。
「私決めたのよ」
「結婚はもう決めたじゃない」
 会社のオフィスで休憩中に親友であり同僚である榎本智巳に突っ込まれた。見れば智巳はその髪の毛を茶色にしてカールをさせたうえで伸ばしている。目の辺りの化粧を特に目立たせている。わりかし以上に目立つ顔立ちがそれに余計に目立っているのだった。
「違うの?」
「だから。結婚なのよ」
 真由子はここでさらに智巳に対して言う。
「結婚でね。決めたのよ」
「式の日ももう決めたわよね」
「ええ」
 智巳の質問に答える。
「それも決めたわ」
「じゃああと何を決めるのよ」
 智巳は醒めた視線と声で真由子に問うた。
「何もないじゃない。ドレスとかも決めたのよね」
「一応はね」
「それじゃあ後は待ってるだけね」
 あはりクールな声であった。
「寝ていても。あんたは幸せになれるわ」
「もっと幸せになりたいのよ」
 しかし真由子はここでこう言ってきた。
「もっとね」
「どうやって?あいてはお金持ちのボンボンで結構な大学を出て背が高くてスポーツマンで人格円満」
 まるで何処かのドラマに出て来そうな設定だが事実なのだった。
「顔も男前じゃない。止めに一族では誰も禿に薄毛はなし」
「随分よく知ってるわね」
「女の情報網をちょっと使えばわかるわよ」 
 それが智巳の返答だった。
「この程度はね」
「いえ、髪の毛のことまで」
 真由子が言うのはそれに関してであった。
「よく調べたわね」
「基本よ」
 智巳の返事は当然と言わんばかりのものだった。
「この程度はね」
「基本なの」
「禿位調べておかないと」
 こうも述べてみせる。
「後で後悔するわよ」
「そうなの」
「そういうこと。それでよ」
 ここで智巳は話を戻しにかかってきた。
「何を決めたのよ」
「それを聞きたいのね」
「あんたから話を切り出してきたんじゃない」
 真由子に対して言葉を返してきた。
「何を今更」
「そうね。確かに」
「それで」
 こう言ってからまた問うてきた。
「何を決めたの?全部決まってるように見えるけれど」
「痩せるのよ」
 真由子の言葉だった。
「私痩せるのよ。どうかしら」
「痩せるの」
「ええ。駄目かしら」
「それ自体は何とも思わないわ」
 返答はこうであった。
「それはね」
「いいのね、やっぱり」
「ダイエット自体はいいことよ」
 こうも述べてそれは認めるのであった。
「それ自体はね」
「その割には何か冷たいけれど」
 元々クールな彼女だったが今回は特に。真由子にはそう見えていた。
「どうかしたの?」
「どうかしたってい
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