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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第226話 森の家
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してみたけど、結局無駄な努力になっちゃったよー……」
互いにため息を吐いて、レイナが持ってきてくれたお茶を飲み干した。
2人は、昨年末から両親、そして兄とともに、京都にある結城本家、つまり父親の実家に半ば強制的に赴かされていたのだ。強制的、と言えば聞こえは悪い。
なにせ、アスナとレイナは約2年もの間、《入院》をしていたのだ。
その間に親戚筋には大いに心配をかけ、そして、色々とせわになったからそのお礼をだった。それは自分達の責任でもあるし、嫌とも言えないのだ。
幼い頃から、その習慣は続いていたから別に苦じゃなかったのだが、多感な年頃である中学を境にまずはアスナが、そして少し遅れてレイナも気詰まりを感じるようになったのだ。
結城本家は、誇張ではない。
200年以上も昔、江戸時代にまで遡る歴史がある両替商。
明治維新やど世界大戦と言った動乱にもしぶとく生き残って 現在でも関西に支店を持つ地方銀行を経営している。
そして、父親が僅か一代で築き上げた《レクト》、それも総合電子機器メーカーに成長させる事も出来たのも本家の資金援助があったこそである。
そこからでも想像が付く通り、親戚中見渡せば、社長の地位のものや官僚がゴロゴロといるのだ。
そんな中だからこそ……当然のように歳が近しい者たち、いとこ達は皆 明日菜や玲奈と同じような《いい学校》で《優等生》で宴席で、子供達が行儀よく並んで居座る。
そして、その間は親たちの表面下での熾烈な争いが始まるのだ。
『自分の子はどうだった』
『以前、この賞を受賞した』
『孫が高難易度国家資格を取得した』
一度ならまだしも、それが毎年恒例の様に続いてしまったためか、2人は違和感を覚えたのだ。
――……それはまるで、子供たち全員に序列を付け直す作業が始まったのかと思えると。
そんな中で、SAOから帰還を果たした2人だったが、嫌なモノを見てしまったのだ。
皆、帰還を我が事のように喜んでくれるいとこ達。それだけなら有難い事だったが、その瞳の奥底にあるモノ……。
――それは憐れみだったのだ。
子供の頃から続くレースから脱落してしまったと同情をされてしまったのだ。
決して考えすぎじゃない。子供の時、幼い時からずっと見てきたのだから。人の顔色と言うものを。
嘗ての2人ならば、絶望してしまうかもしれない状況だった。人生と言うなのレールからはみ出てしまったのだから。
でも、勿論今は違う。
彼女達は本当の意味でも、SAOからも現実からも救われたから。あの少年達に。
決して人生には決まったレールがある訳じゃない。自分で戦う力がある。何故
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