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滅魔士
第一話ー滅魔士ー
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惚れかけたが質問に答えないのも悪いかと思い、体を反転させて向き合う。

「あぁ、そうだが。後ろ姿でよくわかったな。前に滅魔士にあったことあるのか」

服装から滅魔士と見破ることはそう難しくはない。特に後ろからだと。
そう思って聞いたのだが彼女は首を横に振った。

「ふふ、答えはNOです。初めて滅魔士なるお方に会いました。でも、村ではもうみんなの耳に入ってみんながあなたの事知っています。田舎の情報網、舐めない方がいいですよ!」

籠を持たない手でクスッと笑った口元を隠す。田舎、と言われたがこの時俺は田舎も捨てた者じゃないなと心で大きく頷いていたのは内緒の話だ。

「広がるの早すぎるだろむしろ感動するって……あぁ、俺はシリウス。お前さんは?」

「私はエリナ。そこの宿、銀の鶏亭で働いています」

指さした先には俺が目指していた鶏印が。つまり、彼女、エリナがそこの看板娘であり、あのよぼよぼ村長の孫……ということになるのだろうか。それとも、もっと可愛い子がいるのだろうか。
どちらにせよ俺にとっては喜ばしいことこの上ない。なにせ可愛い子がいるのだ。

「銀の鶏亭って言うのか。ちょうど俺もそこに向かってるところなんだ。人を探していてね、村のみんなに聞いて回りながら戦いの疲れでも癒そうかなってさ」

「そ、そうでしたか!でしたら私がこの村、ご案内させていただいてもいいですか?」

「お、それは助かる!現地の人しかしらない絶景とか案内してくれんのかな?」

エリナの最初のどもりが少し気にかかったが、すっかりこの村の景色に惚れた俺は右手を差し出して握手を求めながら絶景案内を期待する。

「絶景……かどうかは分かりませんが私のお勧めでよければ!」

互いに握手を交わし、ひとまず買った野菜を届けなければとのことで、エリナと共に銀の鶏亭に向かった。
そして俺はエリナの掛け合いの元、良い寝床を確保してもらい心着なく出かけられる用意を済ませた。
流石にエプロンでは動きづらいとのことでエリナが着替えている間、俺は外で待機。と、そこにさっきの村長がやってきて、こちらに気付き歩み寄ってきた。

「これはこれは滅魔士殿、孫とは会えましたかな?」

「エリナって娘がそうか?」

「えぇそうですとも!では会えたようですな!どうですかえ?孫は」

少しの間を置いて俺は腕を組み下を見つめ、じーさんが少し不安げな顔をしたその時、フッと微笑をもらして親指を立てて突き出して一言。

「可愛いッ!!」

とだけ言っておく。

「それはそれはよかった。あぁそうそう、商人さんからたくさんお酒を頂ましてね。おそらく今夜は宿にある酒屋が賑わいますぞぉ……!」

「そりゃぁありがたい。酒は
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