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幻のIS小説のプロットが長すぎたが完結した。
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かく暴れながら助けを求めており、梓沙は一先ずガラスを斬ろうとする。

 しかし、ガラスだと思っていたそれはISの絶対防御のバリアで、梓沙では突破できない。一夏の零落白夜なら突破できると思いついた梓沙だったが、そこで帰り道が突然閉鎖され、何者かの陽気な声が部屋に響く。ピエロ気取りの不快な声は、レバーを右に倒せば右(癒子達の部屋)は助かり、左に倒せば左(母親の部屋)が助かると言う。しかもこの部屋は何度も使われたらしく、『以前の映像』をご丁寧にモニタに、しかも敢えて梓沙ではなく中の人間に見せつける。母親は真っ青な顔色を更に蒼くして梓沙に助けを求め、親友たちは余りに残酷な光景にその場で嘔吐しながら死にたくない泣き叫ぶ。

 別の道から真人も駆けつけるが、バリアはどうアプローチしても盤石。更に基地は守りを捨てて外のISと戦っており一夏はとてもではないが部屋までたどり着けない。そしてもう一つの零落白夜は千冬の手にある。陽気で不快な声は、選ばなければどちらの部屋も潰すと告げて梓沙にレバーを引くことを強要する。

 親友を見殺しにするか、母親を見殺しにするか。そんな選択肢、誰だって選べるはずがない。選べないと分かっていてこの選択を強要しているのだ。そしてこの声の主こそが恐らくは亡国機業の首魁。つまり、殺す事にためらいを感じないサイコパス。
 こうなると真人にもどうにもできない。最悪、二部屋とも最初から殺す気かも知れない。母親の懇願と親友の叫びが交互に飛び交う中、梓沙は悲鳴を上げながらレバーを掴み……どちらにも倒せなかった。

『ホホウ!それが君の答えという訳だ!オーケイガール、じゃあ君はどっちの部屋も見殺しってことで――!!』
「なーに迷ってんだか。ほいっと」

 どこからともなく現れた束が、梓沙の手に自分の手を重ねてレバーを左に倒した。

 親友たちの部屋のバリアが解除され、中に素早く侵入した真人が全員を外に連れ出す。同時にごりごりと音を立てて梓沙の母親がいる部屋の天井が下に降りてきた。そのまま押し潰す気である。束に倒されたレバーを呆然と見つめた梓沙は、やっと何が起きたのかを理解して必死に母親に手を伸ばそうとするが、何をどうしてもバリアが突破できない。真人もどうにかしようとするが、憎たらしいほどに全ては無駄だった。
 梓沙の母親はとうとう懇願をやめて「あんな男とヤったから!!」「アンタみたいなのが生まれたから!!」「アンタの所為で何もかもメチャクチャよ!!ゴミクズのアンタなんて!!」と耳を塞ぎたくなるありとあらゆる罵詈雑言を漏らしながら壁にゆっくりと潰されて人間の物とは思えない悲鳴を上げた。そして、ごちゃり、と完全にプレスされて死亡した。真人は咄嗟に梓沙を抱いての視界を覆うが、それは梓沙の心を壊すには十分な現実だった。

 束は正直自分の
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