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幻のIS小説のプロットが長すぎたが完結した。
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 遅れて束の無人機部隊が出現してテロリストの無人機と戦闘に入る。あくまで「学園の防衛」のために――クロエの『黒鍵』も出撃するが、彼女に任されたのは「一夏と箒さえ無事なら後はいい」というものだった。


 その頃、ジュネーブでは既に戦闘が始まり、千冬は鬼神の如き実力でテロリストを圧倒してゆく。鈴とラウラも戦闘に参加しながら戦いの勝利を確信していた。日本で何が起きているかは、伝わっていなかった。


 敵はまるで梓沙だけ受け入れるように彼女を素通りさせ、残りの全員を妨害する。一夏は若かりし日の千冬を彷彿とさせる実力で次々に敵を斬り落とし、真耶も全力装備で砲撃。シャルと真人も新調したラファールとリミッター解除のミソラスUで大暴れして突き進むが、そこに最強の敵が立ち塞がる。

 それは、幾度となく立ちはだかったあの偽真耶だ。

 偽真耶は瞬く間に『黒鍵』を撃墜。その気迫は今までの比ではない。アレーシャと簪が攻撃を仕掛けるも、捨て身の接近攻撃で瞬く間に2機を撃墜する。ミサイルが顔面に直撃しても瞬き一つしない胆力と圧倒的な攻撃力。このまままともに戦ったら勝てない――そう感じた真人は賭けに出る。それは、どうしてかずっとこちらの身を案じていた偽真耶にだけ通じる方法。
 「俺と一騎打ちしろ。俺が勝ったら通してもらうが、俺が負けたらアンタの好きにしろ」。偽真耶は、迷わずそれに乗ってきた。彼女は今日、何があってもここで真人を捕まえる気なのだと周辺は確信した。真人と偽真耶は戦いの場を島の近くへ移していく。

 一方、他のメンツは真人を助けに行こうとするが、無人機の凄まじい攻撃に下手な動きが取れなくなって追跡できない。そんな中、シャルは一か八か、ガーデン・カーテンによる強制突破で先に梓沙を助けに向かう作戦を敢行する。束の無人機が一夏と箒だけを守護するように戦うなか、友達を助けに飛ぶことも出来ない歯がゆさに一夏は「畜生」と何度も怒声を上げ、自分の無力さを悔いた。

 真人と偽真耶の戦いは、まさに人類の限界を超えた決戦だった。限界を超えたIS能力で戦う真人に対し、偽真耶は限界を超えた精神力と身体能力だけで押し込む。戦いの余波で周辺が抉れても、偽真耶は倒れないどころか真人に更に大きなダメージを――致命傷だけは与えないように――ぶつけ続けた。
 だが、真人も倒れない。ミソラスの死を目の当たりにしたあの時、真人は「前に進む」と誓ったのだ。そのために、もう一人の相棒が力を受けついだ。

 土壇場の土壇場で、ミソラスUはセカンドシフトを起こし、押されていた状況がひっくり返る。
 だが、もう死んでもおかしくないほどの攻撃を叩きこんだにもかかわらず偽真耶はまだ倒れない。
 二人の戦いはさらに激化し、とうとう企業の基地の上層をぶち抜いて内部に突入した。

 
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