暁 〜小説投稿サイト〜
没ストーリー倉庫
幻のIS小説のプロットが長すぎたが完結した。
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めていないこの女が「偶然高い地位についた愚か者」であると告げ、彼女を激昂させる。女は結局、『歴史に名を残す事件』とやらに名を刻んで脚光を浴びたいだけのような、薄っぺらい女だったのだ。そんな女が武器を手に入れてはしゃいでいただけなのだ。

 シャルは女の愚かさを指摘しながらも、ISを展開した女と戦う。だが、基地内の遮蔽物の多い環境が災いしてシャルは右手にバリア貫通弾を受けて出血してしまう。彼女はパイロットとして決して強くはなかったが、今この状況で確実に敵に勝つための戦術だけは完成していた。
 このままでは勝つ前に死ぬと考えたシャルは、ある作戦を取る。それは、捨て身のトラップ。

 シャルのグレネードで視界を奪われた女はシャルの姿を探し、ISの姿を捕えて発砲する。だが、弾丸が命中したのは『操縦者がおらずに待機しているIS』で、シャルがいない。そのシャルは――外の無人機が使用していたバリア貫通弾の搭載された武器を生身で持って照準を合わせていた。
 女がそれに気付いて発砲すると同時に、シャルも発砲。シャルの弾丸は女の太ももを大きく抉り飛ばし、女の弾丸はシャルの負傷した右手を粉々にした。シャルのダメージは致命傷だったが、女は戦士ではないために自分の足の出血にパニックになり撤退。シャルは弾丸を受けながらも一応機能しているデュノア社特製ISに這って行き、ISの機能で応急処置をした。

 間もなくして、真人が女の逃げた方角から来る。「シャル、お前……っ!!」。「大丈夫、戦闘は無理だけど……っ、しばらくは持つよ……」「………一緒に来い。脱出するぞ」。「………ねぇ、真人。ここに来る途中で……誰か、見なかった?」。「………知らないな」。

 真人のISには鮮血に濡れたIS拳銃が握られていたが、シャルはそれを見て納得した。

「世界に名を残す大犯罪者の正体は、分からず仕舞いってことだね」
「ああ。この先に女の死体があったとしても、それが主犯かどうかなど分かるまい……」

 そのまま誰にも見向きされず、忘却の彼方に融けてなくなる。相応しいと言えば相応しい末路だろう。ISによって罪悪感などを抑制されている真人の記憶からも、彼女はやがて不要な存在として忘却させられるだろう。シャルも自分の腕をもぎ取った相手の事を、永く覚える気はなかった。
 二人は基地を脱出し、IS学園でもジュネーヴ決戦も犠牲者を最小限に抑えて、世界最悪の同時多発テロは幕を閉じた。その当事者に消えない傷を残しながら。

 なお、亡国機業は幹部格一人行方不明、死者一名、残りは全員が逮捕された。ジュネーヴを捨てて学園に攻撃を仕掛けたものの、最終的には束の介入で奇跡的大勝利と世間に報道されたが、同時にISを使用したテロについて様々な問題が世界各国から噴出し、IS至上社会を根本から見直すことが求
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