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チウルカ
第三章

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「宜しくね」
「ああ、こっちこそな」
「それでミコワイのお兄さんと姉さんはね」
「ああ、新しい家でな」
「二人で暮らすのよね」
「そうなるな、それで俺達は自分達の家にいたままか」
 ミコワイはカシアに顔を向けて言った。
「そうなるんだな」
「それで姉弟ね」
「そうなるな」
「そうよね」
「それでも姉弟か」
「そうなるわね」
「別々に住んでてもな」
 こう話した、そしてだった。
 二人はこの日はそれぞれの家に帰った、そのうえで式の時を待った。
 結婚式の日にだ、ミコワイは家で彼の両親に言われた。
「今日はわかってるな」
「結婚式だからね」
 彼の兄のというのだ。
「だからいいな」
「朝御飯食べたらすぐに着替えるのよ」
「晴れ着か」
「そうだ、お祝いだからな」
「あんたも着替えるのよ」
「わかってるさ」
 朝食のパンを食べつつだ、ミコワイは両親に答えた。
「それじゃあな」
「遂にこの日が来たな」
「あの子も結婚するのね」 
 両親は心から喜んでいた、そしてしみじみと感慨を込めて言っていた。
「それで家を出るか」
「新しいお家に入って」
「それじゃあ次はな」
「ミコワイね」
「俺?」 
 両親の言葉にだ、ミコワイは繭を顰めさせて言葉を返した。
「俺が結婚って」
「そうなるだろ、やっぱりな」
「あんたもやがてはよ」
「結婚してな」
「家庭を持つのよ」
「そうなるんだな、俺も」
 カシアと姉弟になることと同じだけだ、ミコワイはその未来を信じられないといった顔でこう言ったのだった。
「結婚するか」
「二人は新しい家に入るからな」
「あんたはこの家にいてもらうわよ」
「この家も長いからな」
「宜しくね」
「そんな先のことを言われてもな」 
 それこそとだ、また言ったミコワイだたt。
「信じられないな」
「まあ誰だってそうさ」
「子供の頃結婚って言われてもね」
「そんなの夢の話だ」
「けれどやがてはなのよ」
「俺も結婚か」
「その時は頼むな」
「このお家もね」
 両親はミコワイに言う、そしてだった。
 彼は朝食の後で式に出る準備をした、そのうえで。
 式の会場である教会に向かった、そこにはもう参列者達が集まっている。ミコワイはその参列者の中からだ。
 カシアを探した、だが彼女は。
「あれっ、カシアは」
「ああ、あの娘はな」
「叔母さん夫婦と一緒にいるよ」
 カシアの家に同居しているだ、彼女の父の妹とその夫の夫婦とというのだ。
「そこにいてな」
「色々と話をしてるよ」
「そういえばカシアあの人と仲がいいな」
 彼女の叔母とだ、ミコワイも話を聞いてこのことを思い出した。
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