精神の奥底
56 嵐の予感
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せるわけがない」
「それにシンクロナイザーが手に入れたスターダストを戦力として取り込んで、Valkyrieに対抗しているなら、ジャックとクインティアも動いていないとおかしいしね」
「でもスターダストの行動を見る限り、間違いなく誰かが裏で支援している。昨日の学校でも武器やバイクの装備面、それに逃亡に関して支援した何者かがいたのは間違いない」
「多分、ハートレスだよ」
「だろうな」
支援者の存在に関しては、2人の頭には共通してハートレスの顔が浮かんでいた。
ディーラーの命令を受けていない彩斗があれだけの装備や支援を得られたとすれば、ハートレス以外のバックがいるとは考えられなかった。
「だから一応、ハートレスが持ってる複数の名義の中でこの街にある物件の住所を特定した。おそらく2人は一緒にいる」
「了解。助かった」
「あぁ、そうだ。今回、ツケるのを条件に1つお願いがあるんだけど」
「お願い?」
「うん…あの子のこと、頼んだよ…!」
「あぁ」
シドウは全ての情報を聞き終え、出口のドアに向かって歩き始めた。
まず最初に向かうのは、このValkyrieの拠点となっている図書館。
おそらくこちらの方がかなり分が悪い。
敵は武器商、そしてその武器の倉庫であり拠点だ。
丸腰で挑めば、数秒で蜂の巣になってしまうだろう。
扇風機で嵐に立ち向かうようなものだ。
それにこの安食という男からは危険なものを感じる。
1人で勝てる自信は正直無い。
『シドウ、無理はなさらなぬよう』
「あぁ」
まだ未完成なアシッドシステムでは長時間の戦闘は不可能、もちろん並のジャミンカーの性能のなど凌駕しているが、数によってはこちらが先に戦闘不能になりかねない。
アシッドも正直、不安だった。
今までシドウは未完成な自分と融合することで、敵の攻撃など受けていなくとも、血を吐くような苦痛を味わい続けてきた。
徐々にシドウの身体は慣れていっているが、同時に蝕まれている。
しかしドアノブに手が触れた瞬間、2人はミツバに呼び止められた。
「シドウちゃん、アシッド」
「ん?何だ?」
『ハイ』
「気をつけていってら〜」
「…おう」
『了解』
2人はそう言って真夏の炎天下の下へ繰り出した。
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