狐珀アマルティア
強欲の目覚め
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狐珀?が快楽殺人?を終えた時、ふと上を向いた。
そこには4、5人程度の人影が見えた。
よくよく目を凝らしてみると、手にはマシンガンらしき銃を持ち、両肩と両足に箱らしきものが取りつけられている。
対精霊部隊通称ASTのお出ましだ。
そして、十香がようやく恐怖に気づいた。全身から変な汗が流れて、心臓が恐怖によって鷲掴みにされる感覚がした。ニタァと笑うあの顔が忘れられない。自分についた人の血が生暖かい。肌に触れる風が心なしかぬるく感じる。
「あ〜・・・めんどくせぇな・・・」
狐珀は十香の恐怖に気づいていないのか、上を向いてポリポリと頭を掻き、次いで逃げ道を探すように周りを見渡した。
見開いていた十香の目と目が合う。
ゾクッと背筋が凍る感覚がした。
「・・・そこまで怖がるな・・・ってのも無理な話なんだけどさ・・・どしよかねこれ。え〜っと〜」
今まで人を殺していた人とは思えない程普通になり、うむぅと唸り腕を組む
「・・・」
「・・・しりとりでもするか?」
一瞬ふわっと恐怖が抜けた。
「とりあえず安心しろ。キツネだ」
「信じれるか!」
「ま〜そう言うのも分かる。だがキツネだ。夜刀神十香と五河士道の友人だ。これは覆らんぞ・・・まぁ。あっちは信用しないみたいだけど」
とても受け入れがたい事実を聞かれ、混乱している中、狐珀は上をその赤黒い瞳で睨みつける。
そこには、つい今し方攻撃態勢が整ったASTが銃を構え、パッチを半開きにしていた
『発射!』
ここまで聞こえる隊長であろう女の命令と共に、半開きだったミサイルのパッチは完全に開き、そこから細い煙の軌跡を描き、幾つものミサイルが発射される。
構えていたマシンガンからはまるでスワット以上にブレのない弾丸が狐珀めがけて発砲される。
それに驚くことも無く、迷惑混じりにはぁと溜息をつき、後頭部をボリボリと爪をたてて掻く。
「あいつらは学習って言葉を知らんのか?それとも上の奴らのおつむがと〜っても小さいか・・・どっちでもいっか・・・十香〜ビビんなよ?」
ニヒッと自信に満ちた笑みを作りあげると同時に、彼の全身が、否、彼の周り一帯を含む全てをいきなり現れた怪物と思える巨大な口に呑み込まれた。
その顔は再び空気へと消え、その中からクレーターみたいに抉れた地面と、大きくなびく形が少し歪な1mはあるんじゃないかという長いマフラーを巻き、巨大な鴉の羽を肩甲骨辺りから生やしている狐珀がいた。相変わらず血のような瞳を目の前までやって来たミサイルと弾丸に向けた
「俺のもんを奪うんじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!」
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