狐珀アマルティア
強欲の目覚め
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「おじちゃ〜ん。飢えた屍に2つ〜」
狐珀の口から、本当に飢えた屍のような声が出て来る。
「お、キツネじゃんか。彼女持ちか?」
「人の女には手を出さない・・・」
「あぁ人の女かい」
「2プリーズ?」
それにあいよ、と答えるとパックを取り出し、3つおまけの合計5つを入れ、ゴムで括り、ビニール袋に入れほい、と言いだら〜んとたれさがった狐珀の手にかける。
すると重力に完全敗北している狐珀の体はまるでエネルギーを注入されたロボットみたいに健康な人間へと戻る。
「はいお金」
200円を突きだした右手の平にチャリンと音を立てて置いた。
「まず一つ目。我に肉を授け給えよ〜」
相変わらず無表情の顔でビニール袋から焼き鳥を一つ取り出し顎を上げた顔の口に運ぶと、まるで口から刀を出し入れする手品みたいに串ごと口の中に含み、ボキボキという木を噛み砕く音が聞こえる
「・・・キツネはリスかなにかか?」
「なんの話」
「木まで食う人間はいないと思ったが・・・」
ある程度串を噛み終え、ごくりと肉を飲み込む。勿論木も一緒に、そしてもう一つ取り出し、肘辺りにまでビニール袋を下げると肉部分を指す
「ここだけを食べると味が残る。だから全部食べる」
「む、無茶苦茶だな・・・」
「はいあげる」
取りだした焼き鳥を狐珀の無茶苦茶な理由にポカンと開いていた口に一個入れる。
「ふぉ!?・・・ふぉむほむ・・・ふむ・・・これも美味いな」
「美味というのはこういうことを言う」
再びあ〜と顎が外れるかもしれない程開けた口に串ごと入れ、ボキボキと木を噛み砕きながら、一つ残さず肉を食い、塩コショウ味を楽しむ。
「肉の柔らかさと木の固さが相まって素晴らしい」
「それを共感出来る奴がいるといいな・・・」
「その必要無し、もう一ついる?」
「いいのか?好きな食べ物らしいが・・・」
「分割すべし」
「では頂こう」
パックから焼き鳥をほい、と出し、それを再び口に含んだ。
「おばちゃん。これ一つ」
「あいよ。いつも来てくれるからおまけ!」
「おじいちゃん。もうそろそろ止めないと心臓止まるよ」
「ほっほっほ。死ぬときゃ狐珀君の前で死にたいわい」
「縁起でもない・・・」
「なんか安いのない?」
「・・・そうだねぇ。なんでも持ってき!半額にしたげるよ!」
「大量大量」
口だけをフフフフと笑わせ、両手に持った四つの大きなビニール袋を肩まで上げる
「好かれているのだな。キツネは」
「5歳の頃からずっと通ってる。おばちゃんおじちゃんとは結構仲良し」
「ほ〜。それは良いことだ!」
隣にいる十香がうむうむと首を上下させる。
そして、大通りに出る。今までも人で賑わっていた商店街の外には、車も自転車も増加する。しかも、昼の外出時。
「・・・」
昨
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