5部分:第五章
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魔の契約か?」
「世の中ってそんなのだろうね。とどのつまりは」
ここでも妙に哲学的なことを言う悪魔だった。そうしてそのうえでだ。
彼はだ。雄太郎に最後に話した。
「おいら達悪魔もいれば天使もいるしね」
「仏もいるしな」
「宗教違うけれど大した違いじゃないか。じゃあまた縁があったら」
「その時俺の髪の毛はどうなってるんだ?」
「砂漠になってるね。絶対にね」
これが悪魔の彼への最後の言葉だった。このことを言い残してだ。
悪魔は姿を消した。そして残された雄太郎は首を傾げさせてこう言うだけだった。
「悪魔が仏教の坊さんのところに来るのか。変な話だよ」
自分のそのパンクかヘビメタの格好には何も思わずにだ。こう言うのだった。そのやがてなくなる髪の毛をいとおしそうに触りながら。
誘惑 完
2011・5・29
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