猫飼ってるだろ? 〜小さいおじさんシリーズ3
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るタイプだぞ」
居候のクセに俺より生活水準が上がるのはなんか納得がいかない。眼鏡は、えーでもー英雄をあんな猫籠に入れとくのはーとか云いながらロイヤルミルクティを啜っている。あれ英雄か。ただの我侭なおっさん達にしか見えないが。
「あの、これからちょくちょくお邪魔していいですか!?」
「ダメと云えば親父権力使うんだろ」
「へへ…」
「さっきも少し話したが、俺達は基本的に『居ない』スタンスだ。話しかけたり、触ったりしたら何か面倒なことが起こるかもしれない。くれぐれも注意しておくが」
「分かってますよ。デリケートな関係性なんですね」
…まぁ、大家の息子が味方についたのはある意味『神風』だ。俺だっていつまでもあそこに住んでいるわけには…
――なんで俺が奴らの心配をしているんだ。
「――僕やっぱり、家継ぎます」
俺の心配を見透かしたように、眼鏡が呟いた。
「親の云うとおり家継ぐのどうかなー、って思って歴史勉強できる大学を受験してて、合格出来たら歴史学者の道もー、とか思うけど、なんかちょっとふわふわしてるかなーっとも思うし」
まじでふわふわしてんなこのゆとり野郎。
「学者しながらでも出来るんじゃないか、大家業」
「どうっすかねー」
「継がなかったとしてもそうだな、この部屋を書庫としてお前が借り上げてくれればいいんじゃないか」
「そうっすねー。あ、これから行ってもいいっすか」
「居なくなってても文句云うなよ」
「そしたら出直します。LINEいれてくださいよ。交換しましょ」
「不安だなぁ…」
白頭巾は既にLINEの使い方を習得しつつある。この間、奴が実家のお袋にLINEでルマンドの追加を勝手に頼んで、ブルボン菓子が大量に届いたことがあった。あいつは幼児以上に厄介だ。そんな話をしたら、眼鏡はげらげら笑っていた。……一つ、分かった事がある。
歴史に名を残す英雄というのは、訳の分からん強運に恵まれているものだ。
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