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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第七話 天流
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の速度は光速。

 銃弾のそれより速ければ、回避は間に合わない。

天流(てんりゅう)第弐翔(だいにしょう)――――」

 対して黒鐘は回避体勢を取らず、仁王立ちのまま停止する。

 プロテクションで防ぐことも考えず、ただただ待機した。

 なぜ?

 そんな疑問すら抱く暇がないうちに、雷の弾丸は標的のもとで爆発した。

 風で煙が消えるのを待つ中でも、彼女の緊張感と警戒心は限界レベルで張っていた。

 なぜ、と言う疑問がここに来て彼女の中で強く存在するから。

 なぜ避けない?

 なぜ防がない?

 そもそも、なぜ動かなかった?

 爆発の瞬間、彼は何かを口ずさんでいた。

 魔法詠唱だとすれば、少なくとも足元に魔法陣が展開しているはず。

 だが何も発生しなかった。

(……何も、発生していない?)

 ここで彼女は先ほどの幻術魔法らしき現象を思い出す。

 あの時、彼の幻影が消滅した際の痕跡は何もなかった。

 そして発動に要する予備動作……詠唱や魔法陣の展開も確認できなかった。

 いや、そもそも最速で移動していた彼女の攻撃に対し、詠唱や魔法陣の展開なんてする余裕がなかったはず。

 にも関わらず、彼は何かしらの『技』を発動した。

 何も発生しなかった状況から――――。

「まさか!?」

 そこで少女は、自らの過ちに気づく。

 今、彼女は立ち止まっている。

 緊張感と警戒心は高めていた。

 全ては相手の次の攻撃を対処するため。

 だが、彼女は大きな勘違いをしていた。

「――――蜃気龍(しんきろう)

 背後から再び銃弾を頭部に撃たれて気づいた。

 そもそも彼は自分の背後に立つほどの瞬間移動をしてみせた。

 ならばこうして停止している時点で、大きな隙になっていた。

 彼の発動した技術、蜃気龍。

 高速移動の際に緩急を付けることで残像を作り、相手のミスを誘う小伊坂が作り出した『我流武術』。

(この人、私よりも――――速い!)

 ここに来てようやく、彼女は小伊坂 黒鐘と言う相手の戦い方に気づいていく――――。


*****


「流石に頭部に防御はしてあるか」

「くっ!」

 再び気絶させるために頭部へ放った弾丸は、そこに攻撃を受けると自動的に発動するように仕掛けていたプロテクションによって防がれ、全身を回転させた勢いで鎌を振るう。

 それを回避した黒鐘は再び距離を取り、彼女の勝利に対する執念に驚く。

「最初の気絶から起き上がった時にも驚いたけど、ホント……凄いな」

《ええ。 高町様と同様、才能の塊のようですね》

 執念もそうだが、彼女の
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