暁 〜小説投稿サイト〜
マゾフシェの服
第二章

[8]前話 [2]次話
「街一番の美人を決める」
「よくあるタイプのコンテストね」
「それだけれど」
「そうなのね」
「水着とかはなくて」
「それなら」
 水着は恥ずかしいのでそれがあるなら出ないつもりだったがだ。
 ウルシュラはそう聞いてだ、こう友人に返した。
「いいかも」
「じゃあ出るの?」
「もう一度聞くけれど水着のコンテストはなしね」
「それはないわ」
「じゃあね」
「出るのね」
「そうさせもらうわ」
 これがウルシュラの最終的な返事だった。
「是非ね」
「ええ、じゃあね」
「出させてもらうわ」
「服は何でもいいらしいわ」 
 このこともだ、友人はウルシュラに話した。
「ファッションセンスも評価点らしいから」
「あら、そうなの」
「私服とかね」
「ドレスとか」
「何でもいいらしいわ」
「服ね」
 服と聞いてだ、ウルシュラは考える顔になった。
 そのうえでだ、友人にこう言った。
「私の服のセンスは」
「大人しめね」
「ミニスカートとか半ズボンはね」
「好きじゃないわよね」
「あまりね」
 実際にという返事だった。
「昔から」
「共産主義時代みたいな服?」
「そこまでセンスない?」
「いや、服のセンス自体はそんなに悪くないわ」 
 ウルシュラのそれはとだ、友人もそこは断る。
「けれど大人しめね」
「だから足とか見せるの好きじゃないから」
「そうよね」
「お肌は見せたくないの」
 出来る限りというのだ。
「だからミニスカートとか半ズボンはね」
「着ないのね」
「そうしたセンスはね」
 どうにもというのだ。
「あまりね」
「そうなのね」
「ええ、そうしたアピールはしないわよ」
「何だかんだでね」 
 友人はここでウルシュラにこの現実を突きつけた。
「コンテストも露出よ」
「嫌な話ね」
「優勝したいとね」
「優勝ね」
「やっぱりしたいでしょ」
「というかコンテストに出ようと思ったら」
 一端だ、そう思えばとだ。ウルシュラも答える。
「やっぱりね」
「そうでしょ」
「ええ、そう思うし」
「そう思うならよ、アピールでね」
「お肌ね」
「露出が一番インパクトがあるから」
 それ故にというのだ。
「いいのよ」
「そうなのね」
「まあインパクトね」 
 友人はあらためて言った。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ