第四話 変化の兆しその十二
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「これからもよね」
「僕はそう思ってるよ」
「優花がどうなっても」
「僕がどうなってもって」
「私は優花のお姉さんね」
「それが違うの?」
「いえ、違わないわよね」
まだ優花は見られない、しかし言うのだった。
「私達はずっと姉弟、例えどうなってもね」
「言ってる意味が本当にわからないけれど」
「そう、わからないのね」
「だから何言ってるの、姉さん」
「何でもないわ、とりあえずね」
「とりあえず?」
「お酒はそのうち止まるわ」
こうした暴飲と言っていい飲み方はというのだ。
「多分ね」
「多分なんだ」
「そう、だから安心してね」
「だといいけれど」
「聞いただけよ、私達は姉弟ね」
「だからそれ以外の何なの?」
「何でもないわね」
酔いの中でもだ、優子の声は確かだった。
「そうよね」
「ううん、一体何が何か」
また首を傾げさせた優花だった。
「わからないけれど」
「今日はこの一本で止めるから」
酒の話にだ、優子は話を変えた。その優花を置いて。
「安心してね」
「だといいけれど」
「後はシャワー浴びて寝るから」
「あまりお酒飲んでから入らない方がいいよ」
「だからシャワーで止めておくわ」
湯舟に入らずにというのだ。
「そうするわ」
「それがいいね」
「お酒を飲んだらお風呂にも気をつけないとね」
「そうだよ、本当にね」
「わかってるから」
「じゃあシャワー浴びたらね」
「寝るわ」
こう言って最後まで飲んでだった、優子は相当に酔いながらも泥酔とまではいかずだった。そのうえでこの日はシャワーを浴びて寝た、しかし朝目覚めても憂いは消えていなかった。
第四話 完
2016・1・7
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