第5部 トリスタニアの休日
最終章 剣と私怨
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いた。
「あんたねえ。お礼を言われた時ぐらい、答えなさいよ」
ルイズの言葉に、ウルキオラは少し考えた後、「受け取ろう」と答えた。
すると、ルイズが「普通、どういたしましてでしょ」と笑いながら言った。
アンリエッタとアニエスもルイズに次いで笑った。
部屋の中に、三人の笑い声が響いた。
ウルキオラは、なんともいえない感情を抱いた。
それを、『恥ずかしい』『照れ』だとウルキオラが知るのはまだ先の話で合った。
30分ほど経過しただろうか。
部屋にはアンリエッタとアニエスの姿はなかった。
立場上、あまり長居はできないらしい。
ルイズは先ほど、お疲れ様会のような催しをしようと提案したが、断られてしまった。
それに次いで、ウルキオラも部屋を出ようとした。
「そんなに急がなくでもいいじゃない』
ルイズが引き留めた。
ウルキオラは疑問をぶつけた。
「もうここにいる意味はないだろう」
しかし、ルイズは微笑した。
「ま、座って。いいのよ。どうせ朝までここ貸し切りなんだから」
ベッドを指さす。
座れということか?と思い、ウルキオラは腰かけた。
ルイズは、ベッドの前にテーブルを移動させ、そこにワインと二つのグラスを置いた。
「少し付き合いなさいよ」
ルイズはグラスにワインを注ぎ、ウルキオラに手渡す。
「いらん」
ウルキオラは軽く受け流した、
「一杯でいいから」
ウルキオラは仕方なく受け取った。
ルイズも自分のグラスを手に取り、ウルキオラの横に座った。
「わ、悪かったわね。不機嫌になって……」
「急にどうした気持ち悪い」
ルイズはキッとウルキオラを睨み付けた。
しかし、それもすぐにやめた。
「こ、これからは、どこかにいくときはちゃんと私にいってからにしてよね」
ルイズは少し照れくさそうに言った。
「なぜだ?」
ウルキオラは問いかけた。
ルイズはワインをぐいっと一気に飲み干すと、ぷはーと声を上げた。
乙女の欠片もなかった。
「自分で考えなさい!」
少し強めに言葉を発してから、もう一杯ワインを注いだ。
外はすっかり真っ暗になっていた。
部屋には空になったワイン瓶が数多く転がってた。
ルイズは顔を真っ赤にしながら、ヒックヒックとしゃっくり繰り返していた。
「その辺にしておけ」
ウルキオラはまだ一口しかつけていないワインの入ったグラスを片手にルイズに言った。
「うるひゃい!ウルキオラももっと飲みなさいよ〜」
先ほどから、ずっとこんな感じである。
ウルキオラはアンリエッタとアニエスが出てい
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