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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第224話 仲間の輪
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を宛てがっていた。

 その時だ。


「見事に、成し遂げてくれましたね」


 声が、聞こえた来たのだ。
 聞き覚えのある声――だった。まだ、1時間は経っても、2時間は経っていない筈なのに、最早懐かしささえ感じるその姿。今回のクエストを依頼した身の丈3m程の金髪美女《湖の女王ウルズ》だった。

「《全ての鉄と木を斬る剣》エクスキャリバーが取り除かれたことにより、イグドラシルから断たれた《霊根》は、母の元に還りました。樹の恩寵は再び大地に満ち、ヨツンヘイムはかつての姿を取り戻しました。これも、全てそなた達のお陰です」
「いや……そんな。スリュムは、トールの助けがないと、それに 呼び起こした切欠はきっと、この男だと思うし」

 一応、リーダー職は自分だったからなぁ、とキリトはウルズに答えていた。そして 相手がNPCだと判っているのだが、思っている事を、言いかけた。トールが、いや フレイヤだった時から、横にいる男の剣に反応していた。トールの力とも言える《雷》の力が 剣に宿ったのも見た。決して無関係じゃないだろう。と思っていたのだが。

「いや、あんまり関係ないと思うぞ?」
「え? そうなのか?」

 あっさりと否定したリュウキ。その言葉にウルズも頷いた。

「ええ。かの雷神は 一族の宝を取り戻しに来ただけ……。妖精達の中に かの剣があった事に驚きはしたものの、雷神がすべき事、それは変わらないと思われますよ」

 つまりは、リュウキ曰く、『セリフと戦力が多少増えただけ』と言う事だけ、との事。
 それに、ウルズもそういった事で、最早間違いはない事は確かだった。

「……ですが、気をつけなさい。妖精達よ。彼ら《アース神族》は、霜の巨人の敵ですが、決してそなたらの味方ではない……」

 ウルズの話が続いた所で、リーファが疑問を口にした。

「あの、スリュム本人もそんな事を言ってましたが、それは、どう言う……?」

 涙を拭いて、立ち上がったリーファがそう訊ねた。しかし……、ウルズは無言のままだった。恐らくではあるが、リーファの曖昧な質問、それには自動応答エンジンに認識されなかったのだろう。
 だが、リュウキはこう考えていた。

「……リーファ。以前のクエスト。海の王リヴァイアサンが言っていた時の事と、今回も同じだよ」
「あっ……」

 リーファは、リュウキにそう言われて 思い出した。
 そして、レイナがリュウキの傍に立った。

「まだ、先がある(・・・・)、って事だね? リュウキ君」
「ああ。その通りだ。――終わりはないよ。この世界(・・・・)には、な」

 レイナもあの時の事はよく覚えている。
 鯨を見て、喜んでいるユイの姿や……、リュウキの楽しそうな笑みを。

 その会
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