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ソードアート・オンライン〜Another story〜
キャリバー編
第224話 仲間の輪
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あ、どっかに行きゃあ会えるかもしんねーな」
「……かもしんないね」

 リーファは やや歯切れが悪い様子だった。

「ん。だが、アースガルズはALOにh「リュウキ君も、そー思うよねー?」……ああ、そうだな」

 リーファの意図を察した様で、リュウキも半ば強引に頷いた。頷かされた? というべきだろうか……。キリト?アスナ リュウキ?レイナ の2組みがうらやまけしからん! と嘆いている《3人衆》が1人だからこそ、であるのは別の話だった。

 だが、そんな考えも、色んな想いも全て吹き飛ぶかの様な、出来事がここヨツンヘイムに現れた。それは、地上の恩恵がこの世界にも現れたのだろうか。……或いは、エクスキャリバーを引き抜いた為、なのか。

 明確な答えは出ないが、確かに、それ(・・)は起こった。

 《グレートボイド》に止めどなく飲み込まれていった氷の巨城。……無限の闇に消えゆく……のではなかった。穴の底に、何か光が見えたのだ。その光は、きらきらと青く揺れ たゆたう輝きは、間違いなく《水》。《水面》だった。底なしと思われていたボイドの奥深くから、先程とは別種の轟きをうみながら、大量の水が迫り上がってくるのだ。

「あっ……、上!」

 そして、あることに気づいたシノンが咄嗟に右手を上にあげた。
 反射的に皆も振り仰ぐと、またしてもとてつもない光景が眼に飛び込んできたのだ。

 僅かに地上の届く光。温もり。それを吸い、成長している様に、萎縮していた世界樹が成長を続けたのだ。……大きく揺れ動きながら、太さを増していくのだ。光を吸った後に、次に求めるのは……紛れもなく《水》だった。グレートボイドを満たした、清らかな水を求めて、根が伸び続ける。

 その光景は、クエストの始めに、女王ウルズが見せてくれた、幻と瓜二つだった。
 水を求め、伸びる世界樹の根は、漸くたどり着き その動きを止めた。……世界樹の動き、それは宛ら、砂漠でオアシスを見つけ、ついにたどり着いた純粋な歓喜の様に感じた。

「あ……っ 見て、皆!」
「うん。……根から、芽が」

 レイナとアスナの言葉に、皆が目を凝らすと、確かに四方八方に広がる根のそこかしろから、小さな若芽……勿論、自分達に比べたら果てしなく大きい。1つ1つが大木だ。それが、一斉に黄緑色のの葉を広げた。

 それに呼応する様に、風が吹いた――。

 これまで常にヨツンヘイムで吹き荒れていた骨まで凍る……全てを凍てつかせる様な木枯らしではない。暖かな春のそよ風。

 空は太陽、地は世界樹。

 渇望していた世界が求め、本来の形を成していく。強い白光を振りまいている。風と陽光にひと撫でされた大地の根雪や小川を分厚く覆う氷、それらはあっという間に溶かされていった。 

 ヨツン
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