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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第六話 再会の連続
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「イチャついてないから!」

「いやん、イチャついてるなんてー」

「雪鳴は棒読み過ぎるから!」

 建物から飛び降りながら両手を頬に当ててクネクネする雪鳴だが、無表情と棒読みでやられると流石にボケだと分かる。

「難しいのね」

「はいはい。 ……天黒羽、起動!」

《了解。 天黒羽、セット・アップ》

 多少変な空気になったが、俺はアマネを起動させてバリアジャケットに身を包む。

 右手に拳銃となったアマネを握り、建物を超えて森の手前で着地し、森の中へ突入する。

 いくつもの木を回避しながら走ると、視線の先で魔力同士のぶつかる音が聴こえた。

「……銃?」

 雪鳴は武器化したアマネを指差し、不思議そうな表情で聞いた。

 そう聞かれて、俺は思い出した。

 俺はまだ、雪鳴に銃を使った所を見せたことがない。

 そして銃を扱うと言うことを説明していなった。

 だけど、今は説明している時間がない。

「取り敢えず見ててくれ」

 そう言いながら俺は森を抜けると同時に片手で銃を構え、引き金を連続で二回引く。

 放たれた二発の魔力弾の一発は、高町に迫っていた金色の魔力弾へ。

 もう一発は、その金色の魔力弾を放った本体へ。

 打ち終わった瞬間に俺は高町のもとへ飛び、彼女を守るように正面へ立つ。

「ごめん、待った?」

「ううん。 大丈夫」

 と、笑顔で答える高町だけど、白が主体のバリアジャケットはあちこちが焼け焦げ、少しだけ肌が露出していた。

 恐らく俺が魔力弾を放った相手から数発のダメージを受けたのだろう。

 魔力弾同士のぶつかり合いは相殺で消え、敵に対してはプロテクションで防がれた。

 爆風が消えると、その正体が明らかになる。

「女……って、え?」

 そこには、高町と正反対の黒主体、更に薄く肌の露出が多いバリアジャケットを身に纏った少女がいた。

 右手に持つは、黒主体に金色の魔力で形成された刃が特徴の鎌があり、それが彼女のデバイスだと判断するのは容易だった。

 けど、俺が何より驚いたのはそこじゃない。

 金髪のツインテールをした、悲しい瞳が印象的な少女。

 彼女には見覚えがあった。

 ……昨日の昼間、街中で助けた女の子。

「あなたは、昨日の……」

 彼女もまた、俺のことを思い出したらしく、バリアジャケット姿でも互いが昨日の人だと理解し合えた。

「なんで君が、ジュエルシードを?」

「……」

 俺の問いに、彼女は無言で俯いた。

 遠目からでも感じる、暗い表情。

 何かを悩んでいるように見えた……のはほんの数秒だけで、迷いを振り払うように鎌を横薙ぎに振る
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