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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
17話 経済支配-4 「水の王者」
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。
住む場所も家族も全部奪われ、不幸のどん底へと落ちた日本人の境遇をセイルンは想像する。
(ワシみたいに辛かったのか……?
これが日常を奪われた者の悲しみかっ……?)
もし、日本人が聞いたら『気づくの遅すぎるだろ!』と言われそうな、今更の感想だった。
異世界に拉致って奴隷にしている時点で、絶対に許してもらえないくらい恨まれている。
正直、工作員の教官にするために日本人を拉致りまくった北朝鮮よりも待遇が壮絶に悪かった。
(……今から、全てをやり直そう。日本人どもも、偉大なワシが謝罪すれば許してくれるだろう。
ワシは王なのだ。王の慈悲に感動してひれ伏すだろう。常識的に考えて)
王朝を支持していた側近達が、エルフ娘に転生したりして役に立たない昨今。
奴隷として運用していた日本人の待遇を改善すれば、彼らからの評価が上がるに違いない。
そうセイルンは客観性が足りなさすぎる妄想を現実だと思い込み、宮殿の方向へと元気よく歩く。
(まずは奴隷どもに一週間ごとに一日の休暇を与えてやろう。
給料も1割アップさせて、裁判を受ける権利をくれてやろう。
就職できる仕事を増やしてやるのも良いな。
ワシって寛大すぎて優しいっ……)
セイルンの政治力だと、実現するのに数百年かかりそうな机上の空論を妄想しながら、宮殿前の広場の所まで歩くと、巨大銅像が見えてきた。
先代国王イルソン・セイルンをモチーフにした世界最大規模の人物像だ。
高さはなんと25メートル。つまり人間が豆粒に見えるサイズ。
こういう芸術品は彫刻家を動員するから無駄にコストがかかる。
制作依頼を出した主は無論――若き日の王子時代のセイルンだ。
(懐かしいな……父上に気に入ってもらうために、予算に糸目をつけずに銅像をたくさん作ったっけ……)
懐古主義に浸るセイルンの脳裏に、古き良き王国の姿が思い浮かぶ。
後継者として選んでもらうために、父親の銅像を国中に建てまくって神格化。
経済学者が『経済に注ぎ込むべき予算を、銅像や贅沢施設に使うな!』とツッコミを入れてきたから粛清。
母親そっくりの踊り娘を抱いて妊娠させ、国外追放した。そんな懐かしい思い出が頭の中に広がる。
(ふふふふふっ……そういえば純金で人物像を作ろうとしたんだったな……。
でも、さすがにそんな金は何処にもなかったから、銅像に変更して父上に怒られたのが懐かしいっ……)
この銅像はセイルンの誇り。
人間の人生は短いが、芸術の寿命は長いのだ。
きっと、遥か遠い未来でも、銅像は変わらずに立ち続ける……そう思ったら、セイルンは違和感に気づいた。
イルソン・セイルン像に分厚いロープが掛けられている。
「はっ?」
そのロープを百人を越す人間が掴み、銅像相手に荒々しい綱引きを
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