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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
15話 経済支配-2 「戦勝祝い市場」
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ワシが発行した硬貨(質の悪い)はどうなった……?」

一日も経過せずに、『紙切れ』が金として普及してしまっている現実。
どうやって、通貨に一番必要な『信用』を得たのか謎だった。
信用のない通貨、しかも紙切れなんてケツを拭く紙にしかならないはずなのに。
顔を真っ青にしてセイルンが戸惑っていると、人狼のお兄さんが話しかけてくる。

「お客さんっ!どうしたんだい?ボーッとして!」

「こ、この紙切れは一体っ……?」

「え?アヘン紙幣を知らないのかい?
その紙幣はね!たくさん貯めるとエルフに転生したり、骸骨になれるサービスを受けられるんでさっ!」

「エルフ……?」 首を傾げるセイルン。

「オイラみたいな不老で健康な種族になれるんでさぁ」

不老長寿。それは人類の永遠の夢。
権力者として栄華を極めた事があるセイルンは何度も思った事がある。
『この身が不滅の存在だったら、永遠に贅沢とハーレムやれて最高なのに』と。

(化物どもめっ……!人間が本当の意味で欲しがっている物を餌にしたなっ……!?)

アヘン紙幣という紙切れの上に乗せられた価値は『人類の永遠の夢』だった。
権力者で野心家であればあるほど、この甘い蜜には逆らえない。
だって人間は自己の死が怖くて怖くて仕方ないからこそ、宗教を作り上げ、死んだら天国行って処女とハーレムできますよと妄想設定を作り上げてきたのだ。

(ワシも欲しいっ……!不老の体っ……!
エルフになりたいっ……!
老いた体はもう嫌だっ……!若返って絶倫だった自分を取り戻したいっ……!)

だから、セイルンは人狼に聞いてしまった。
何処に行けば、不老の身体を貰えるのかと?

「あっちでさぁ」

人狼はニヤリッと笑って、とある方向を指し示してから

「よく見たら、お客さん。
良い品を持っているねぇ……アヘン紙幣と交換しないかい?
今なら高い値段で買ってあげますぜ?」

セイルンの持っている財産をほぼ全て『僅かな紙切れ』と交換してあげた。
見事なボッタクリだった。






たった百枚の一万アヘン紙幣とともに、人狼の示した先に急いで向かうセイルン。
彼は王様とは思えない、みすぼらしい格好になっている。

(不老の命っ……!もうすぐ手に入るっ……!)

たった百万アヘンそこらでは、エルフに転生するサービスは受けられないのだが、これは罠だ。
一度、不老の身体を得る現場を見てしまえば、人間の欲望的に止まる事はできない。
絶対に欲しいと思ったら、どんな無茶な事をしてでも得ようとするのが人間という生き物だからだ。
不老長寿欲しかった中国の始皇帝さんとか、騙されて水銀(もうどく)飲んじゃうくらいだし、人間にとって健康で老いない身体は千金、い
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