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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
15話 経済支配-2 「戦勝祝い市場」
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支持されているんですよ』っていうワルキュラ政権の正当性の証明だ。
工作が最後まで進めば、セイルンは正当性を自動的に否定され、命すら危うい事に気づかない。
王国に住む9割の人間から見れば、セイルン王は圧政と弾圧の象徴。
民衆のガス抜きのために、広場で火炙りにされても可笑しくないのだ。
そもそも、王朝の権威が欲しいなら、セイルンの娘とワルキュラが結婚すれば良いだけだし。
民衆を飢えさせる王様に価値なんて存在しない。
(化物どもが考えている事はワシには分からんっ……ん?なんだあれは……?)
逃げようとしたセイルンの視線の先には、熱狂的な人間の群れが居た。手にワルキュラを模したアヘン紙幣を握っている。
更に人間の群れの先にいるのは――元気で若い人狼のお兄さん。
「さぁっ!張った張った!今回も楽しい戦争賭博の始まりだよ!
今回の賭けの対象はっ!カイロンの近くにいるピィザ軍が壊滅するのは何日後だっ!?
ピィザ王の生死に関わる配当レートは常に2倍設定だよ!さぁっ!張った!張った!」
戦争を賭けの対象にして遊んでいた。しかもワルキュラが勝利する事を前提にしている。
熱しやすい人間達は次々と紙幣を片手に、金を投じる。
「明日壊滅するのに十万アヘン!」
「三日後に勝利するのに五万アヘン!」
「ピィザ王の戦死に二万アヘンっ!」
戦争の娯楽化。さすがのセイルンといえども驚愕せざる負えなかった。
戦争に絶対はない。もしも、こんな賭博をやった後に敗北でもしたら……熱しやすい民衆の事だ。暴徒になって大暴れするだろう。
そんな博打は普通の為政者には出来ない。
(ワ、ワシの常識が通用しないっ……!
やっぱり最初に感じた予感は正しかったっ……!
戦争すら見世物にするっ……暗黒時代が始まるんだっ……あわわわわわっ……!)
さっきから、人間と人狼がやり取りしているアヘン紙幣も目に入る。
ワルキュラの骸骨顔が印刷された不思議な紙だ。日本語や英語で『タバコ代わりに燃やすな』と書かれてあるが、セイルンには読めない。
「アヘンっ……?
この紙切れで博打をしとるのかっ……?」
紙切れに、金としての価値があるとは思えなかった。
金属を使った硬貨なら、金属の価値+市場の信用で価値が発生するが、借用書でもない紙切れが価値を持つなんてセイルンの常識の範疇では想像できない事だ。
更に言えば『紙幣』は歴史的に見れば、現実の国々の死亡フラグだったりする。
政府は無駄使いする傾向にあり、紙幣を上限超えて無駄に発行して信用を地の底へと落とし、紙幣の価値を文字通り『紙切れ』へと変え、国家と王朝を崩壊させる事が多々ある。
だが、この場で一番可笑しいのは――
「なんで、人民どもはっ……これを金として使っておるのだっ……?
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