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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
3話 国盗り物語-3 「不死王のミュージカル」
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1割のセイルン人が、9割の『その他』を支配する日は終焉を迎えた。
特権に甘えてきた彼らは没落するしかない。
今までのように奴隷を酷使して経済活動をやらせ、戦争になったら日本人を異世界から拉致して使い潰す生活はおしまいだ。
不死王ワルキュラは、十分もかけずにセイルン王国の中枢を征服してしまったのだ。

「ワ、ワシの国がっ……!ワシの栄光がっ……!」

バタン

土下座中のセイルン王。ストレスが溜まりすぎて頭の血管が切れて倒れた。



〜〜〜〜〜〜〜

膨大な人民の拍手喝采。忠誠を誓う発言の数々。
当のワルキュラは困っていた。

(なぜか、俺が人気すぎる件)

だが、骨だから表情に出ない。骨に肉はついてないし。
次々と人間達が『永遠の忠誠を!』などを叫んで、ひたすら拝み倒してくる。
まるでこれは新興宗教の教祖様になった気分だ。
しかも、今の自分の姿は巨大な人骨。部下は一部を除いて化物の軍勢。
一神教でよく設定される神様『僕の考えた理想のかみさま』に見えるはずもない。
多神教だって、骸骨は悪役とは言わずとも、ちょっと強いモブキャラA程度の価値だろう。
ギリシャ神話でも、骸骨っぽい外見の手下を使う奴は、負け組陣営だし。

(なぜ、俺を崇拝するんだ……ま、まさか……?!)

疑惑を膨らませたワルキュラ。意外な事を思いついた。
骨を崇拝する。つまりそれが意味する事は……この国は骸骨を神聖視してたりするのだろうか?
太陽神『頭蓋骨』
運命神『後頭骨』
愛の神『鼻骨』
そんな宗教体系が存在しているのかもしれない。そう思えた。

(骨を崇拝する宗教が実在してたら都合は良いが……なにそれ怖い……?
人骨は死の象徴だろ?人間が根源的に恐怖する存在を崇めるなんて狂ってるぞ……。
黒魔術で赤ん坊を生贄にしてそうな奴らだな……うん)

「「圧政からの開放者っー!ワルキュラ様万歳っー!」」
「「死の超越者!我らの偉大な王っ!降臨せりー!」」

想像を絶する奴隷と日本人達のうっとうしい信仰心の発露。
死刑囚プレイヤーや、スケルトン達に崇拝されて慣れていたはずだが、なぜか自分の存在そのものが恥ずかしく思えた。
LV0の最弱。そんなクズみたいな雑魚が崇拝されている。
もう恥ずかしくて顔が真っ赤になりそうだ……骸骨に肉も血管もないから、顔を赤らめる事そのものが不可能だが。

(もうやだ、こんな異世界文化交流……。
俺はルビー達と静かにイチャイチャしたいだけなのに……なんて骨体!)

何もない眼窩から、赤い光が消えた。
場には貧乏そうな身なりの人間達と、アンデット軍団の叫び声がひたすら響く。いつまでもいつまでも……


……遥か後の歴史家はこの出来事をこう語る。
『ワルキ
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