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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
3話 国盗り物語-3 「不死王のミュージカル」
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好物。だから、笑顔でハキハキと行動していて逆に不気味になっている。
吸血鬼、スケルトン、ダークエルフ、エルフ、触手、見えないゴースト系モンスター、デュラハンなどなど。この場には無数の化物達が蠢き、たった一つの存在を崇拝していた。
全ての化物が口を揃え、仲良く叫ぶ。
「「世界を滅ぼせと言われたならば、滅ぼしましょう!
親を殺せと言われたならば殺しましょうっ!
命令されたならば、我ら三千世界を殺し尽くし、神を射殺さん!」
綺麗に三十万近い声が統一され、荘厳に都市の外にも響き渡った。
一つの存在に統率された大軍勢。まるで一つの生き物のように感じれる。
ヤス以外の人間にも、この光景を見て理解した事がある。これは――
((神話の世界の再現だ……邪神的な意味の……))
恐ろしい力を持った死者の軍勢。大抵の宗教ではヤラレ役だが、不思議と神々しさを感じる。
今、人間と化物。その全ての視線が一つの存在に向けられた。
黒いローブを纏った巨大な人骨。圧倒的な存在感を放つ死の超越者ワルキュラ。
死すら支配し、再び蘇った本物の化物。
異世界で虐げられてきた日本人達には、救いの救世主のように見える。
差別意識高い王国の人間達に酷使されるより、目の前の化物に従った方が得だ。
セイルン王国の宗教なんて知った事か。俺たちを奴隷のように酷使するクズより、神話の化物の方が良い。
ヤスはそう思って走る。そして、ワルキュラ……に近づくのは怖かったから、50m手前で跪いた。
「ワルキュラ様っ!お、俺はあなた様に忠誠を誓います!」
ヤスの視界。すぐ目の前。プラチナの小さな足先が、彼の顔のすぐ傍で止まっていた。
あと少しでも発言が遅れていたら、そのまま蹴り抜かれて
『生首だけ空の旅行さんに行くよ!胴体さんとサヨナラー!』状態になっていた事は間違いない。
(やべぇぇぇぇぇぇ!!お、俺っ!殺される寸前だった?!)
命の危機に怯えるヤス。プラチナは紅い瞳で彼を見詰めて優しく微笑んだ。
「ワルキュラ様に従うなら生きる価値があると認めるわ!
アナタ達の働き次第では、老いない不滅の命をくださるわよ!」
それを切欠に次々と場の日本人や、奴隷階級の者たちが声をあげる。
この社会。奴隷が成り上がれない超階級社会だけに、これは成り上がるチャンスでもあぅた。
「「俺達もアナタ様に永遠なる忠誠をっ!」」
「「ワルキュラ様の復活万歳っ!」」
「「死の超越者に祝福あれっ!」」
この光景を見て、セイルン王を始めとした特権階級は恐怖した。
今まで酷い待遇で酷使してきた連中が、化物を崇拝。
一瞬にして、長い間、築き上げた支配体制が完全崩壊したことを意味する。
体制の崩壊は秩序の崩壊。もう、セイルン人達に日常は帰ってこない。
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