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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
2話 国盗り物語-2 アンデッド「太陽さんが辛い
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スケルトン達がプルプルと震えて「我らが王に敵対するものは殺す」と呟いて、王子にゆっくりと迫ってくる。筋力もペナルティで激減しているせいで、アダマンタイト製の大剣が重く感じて辛そうだ。
でも、外見が怖いから無問題。人間達には『生者を嘲笑っている骸骨達』に見える。

「ひ、ひぃやぁぁぁぁぁ!!!
兵士ども!お、俺を守れぇー!ば、化け物がやってくるぞぉー!」

骸骨の怖さに恐怖した王子。彼は腰を抜かして倒れる。スケルトン達はゆっくりと骨をギシギシときしませて前に進む。
その瞬間、場を駆け抜けた一人の少女がいた。
高級そうな絹の黒いドレスを着ていて、輝く銀髪が美しい少女だ。
風のようにスケルトンと兵士達の間を駆け抜け、王子へと迫る。

(ひょ、ひょっとして俺を助けてくれるのか?)

よく見たらとんでもない美少女。年齢は恐らく十歳ほど。
肌は真っ白でこの世のものとは思えない。目は血のように真っ赤。口には鋭い牙。
そんで、足を大きく振り上げている。

(え、なんで足がそんなにすごい速度で迫)

「ワルキュラ様に仇なす賊は死ねっ!」

王子のお腹に、小さな足が突き刺さった。
そのまま膨大なエネルギーが炸裂。彼は空を飛ぶ。雲を突き抜け青空へ。
惑星の上空。そこは空気が薄くて酸欠で脳みそが痛くなる場所。

(あるぇ……お空を飛んでる……?)

そのまま王子の意識は闇へと落ち、眼を覚ます事は二度とない。
彼の最後の姿を見たものは、海に住んでいる『夕御飯中』の魚さん達だった。
人間が超高速で海水にぶつかると、海水が一時的に壁同然の存在となり、人体がバラバラに吹き飛ぶのは秘密だ。
 






王子を蹴り飛ばした吸血鬼の少女。プラチナは、身体が重くて重くて仕方がなかった。
LV5000の魔王級の存在とはいえ、太陽が出ている地上では弱体化ペナルティを免れる事はできない。
アンデッドが太陽に弱いのは、この世界でも通用するルール。
今の彼女はパワーダウンしすぎて、レベル500程度の雑魚に過ぎない。

(辛い……真っ暗な地下空間が恋しい……太陽なんて大嫌い……)
だが、この辛さ。とっても生きているという感じがする。
地下深くで行われた最終決戦。主君を守るための盾となって死んだはずの自分がこうして再び身体を得て、大好きな主に再び仕える事ができるのは至上の喜び。
ワルキュラの大きな骨を見るだけで、心が癒され勇気が湧き出てくる。
ならば、やる事は一つ。
身体が重くて辛くても忠誠を示す。
息を大きく吸い、疲れている素振りを隠し、広場にいる全ての存在に呼びかけた。

「人間どもっ!このお方を誰だと思っているの!?
ひれ伏しなさい!下等生物がっ!」

その声に全ての人間達がビクンッと震えた。

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