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エルフが深刻な少子化問題の解決策を見つけました
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けど…、それよりは少し短い耳が、髪の間から小さく飛び出ている。
薄衣しか着けていないハーフエルフが、ドアを静かに閉めて、深々とお辞儀をする。
「お兄さん、わたしまだ慣れてないから、粗相もあるかもしれないけど、いっぱい頑張るから、勘弁してくださいね」
言葉はわりとしっかりしてる。店に出す前に覚え込ませたんだろう。
「俺が人間の男をたっぷり教えてやるよ…。痛くしないようにしてやるから安心しな」
ベッドに手招きする。
「…はい」
俺の方にゆっくり近づいてくるハーフエルフ。
わずかに膨らんだ胸、細い腰、細い足と…人間の女より広い股間の隙間。
幼い感じの残る顔立ち…いや、明らかに幼い顔。
「キスして、いい?」
ベッドに腰掛けてた俺の目の前に、ハーフエルフの顔が、ぐっと近づいてきた。
お互いの顔を、じっと見つめあう。
「…!?」
俺はびっくりした。
「…?…!」
ハーフエルフも、俺がびっくりした理由に気付いたようだ。
「えーと、俺に/私に『そっくり』!!」
2人で互いを指差し、アハハハハ!と大笑いする。
「お前、俺とそっくりじゃねぇかよ!」
「お兄さんわたしそっくり! すっごーい!」
「へへへっ、かわいいじゃねぇかお前!」
「お兄さんイケメン! わたしそっくりの顔、美人の私にそっくり!」
自分で自分を美人という。つまり、こいつそっくりの俺も美形って事だわな。お世辞でも好い事言いやがる。
「俺もよぉ、昔はイケメンで通ってたんだぜ…どうだい?いい感じのワルおやじだろ?」
「うん!うん!」
ハーフエルフの空色の瞳がくりくりする。
「…でもお兄さん、本当に似てるよ? エルフと人間で、他人の空似ってこと、あるのかなぁ」
「お前、お父さんが人間だったのかい?」
「うん、わたしらハーフ、だいたいお父さんが、人間」
まだ娼婦になりきってない素直な顔で、こくりと頷いた。
(俺の兄さんエルフとやらかしたのかなぁ…でも30年以上前に兵隊に行ってそれっきりだし。ま、関係ないだろ)
俺?バカ言え。そのころ村で神隠し騒動が起きてんだ。怖くて村から殆ど出てねぇよ。


「歳は?」
「25」
5歳はサバ読んでるだろうが、そりゃ若い。ハーフエルフの30なんて、人間で言えばその半分くらいの歳恰好。
(なんか、俺の娘みてぇだな…下の子がおっきくなったら…こんな感じか?)
ちょっと罪悪感を憶えたが…まーこの国の法律じゃ人間も亜人間も20超えたら大人だ、構うもんかい。
「ね、ねぇ、…『パパ』って呼んでいい?」
耳をピコピコ動かしながら、唐突なことを言いやがる。
「な、なんだいそりゃ」
「そういうプレイが好きな男の人、いるって聞いた」
「俺はあんまり…」
ハーフエルフの顔が更に近づき、唇を重ねてきた。
「ん…んちゅっ」

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