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エルフが深刻な少子化問題の解決策を見つけました
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エルフの森を見つけた人間や、森に近づいてきた人間は殺すのが掟。
だが…エルフの森に人間が1人だけで近づいてきて、それをエルフが1人だけで見かけたとき…。
つまり、ほかの第三者がだれもいなかったら「見なかったこと」にする。殺さずに追い帰す。
ただし、追い帰す時には、エルフと遭ったことも、森で迷ったことも、みんな忘れる呪文をかける。
「みんな忘れる。何もかも忘れる。…誰も見てないなら、なにしてもいい。抱いても、みんな、忘れる」
このままでは森が滅んでしまう。せめて、子供を、若者を、どんな形ででもいいから残したい…。
女だけのエルフの森には、そんな暗黙の了解があった。
このエルフも今までに2度、人間の男と交わったが…子供は成せなかった。
「ちょっと待って。人間が父親じゃ、お前らエルフみたいには長生きできないだろ」
人間とエルフの子供…ハーフエルフ、ってのがいる、ということは聞いたことがある。
「人間より、ちょっと、長生き…倍、くらい」
「倍ってことは…100歳は生きるのか。うーん、…人間が父親でも、子供がいないよりはマシって事かい?」
「うん…」
エルフが耳と頬を赤くしながら、小さく頷いた。
「そろそろ、寝る。服着る」
俺に抱きついて、耳元で小声で囁いてたエルフが、身体を起こして膝立ちになった。
人間の女よりも控えめな胸と、明らかに細い腰周りと、肉付きの少ない尻のラインが薄明りの中に浮かび上がる。
細い太ももの隙間から、こぽぽっ、と、俺の精液が零れ落ちる音がした。
「あっ」
エルフが小さい声を上げる。
とろとろと、白濁液が股間から流れ落ちる。
「お前の赤ちゃん、こぼれた。…赤ちゃん、減った」
寂しそうに呟く。
「おい、もっと子種が欲しいのか?」
長い射精の疲れで萎えていた俺のペニスが、また硬さを帯びてきた
「もう1回、赤ちゃん注いでやろうか?」
「う、うん」
エルフの耳が真っ赤になり、ひくひくと上下に蠢く。
「よし、もう一度俺の子種を受け止めな。赤ちゃん作らせてやるから。今度は顔を上に向けて寝転ぶんだ」


「あ、待って」
俺がエルフの手を引っ張り、ベッドに寝転ばせようとすると、いったん身を引いて逃れた。
「どうした? おじけづいたか?」
「ちがう…、試してみる」
「何を?」
「ベッド、離れてほしい」
「おい!止めるのかよ!?」
もう一度生殖行為を営む許可の下りた俺のペニスは、もう激しく勃起している。
「ここまで来て、今更お預けはないだろう!」
俺は言葉を荒げた。
「違う…違うの。『ミュート』…、音を聞こえなくする、呪文」
「…」
俺は、言われた通りにベッドから降り、小屋の隅に立ってみた。
エルフがベッドの上で姿勢を正し、額に手を当て、ゆっくりと不思議な言葉を発する。

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