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エルフが深刻な少子化問題の解決策を見つけました
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させる。
そして、ついてこい、と身振り手振りで示した。
「森の外に帰してくれるのか」
否定も肯定もせず、すたすたと歩き出す。
俺は、エルフの後ろを付いていった。


森の中が真っ暗になった。暗闇に浮かぶエルフの金髪が唯一の道明かりになる頃に…粗末な丸太小屋にたどり着いた。
エルフが小屋の扉を開け、中に入る。俺にも入るよう促す。
「ここで一泊しろって事か…」
目が暗闇に慣れてくると、小屋の中にあるものが…少しだけ見えてきた。
弓矢や杖の入った籠。薬草や壺などが置かれている棚。その脇に…木を組んで、干し草と布を被せた…ベッド。
(ベッド?エルフもベッドで寝るのか?)
エルフは小屋の窓が全部固く閉ざされていることを確認して回ってから、静かに扉を閉め、閂をかけた。
小屋の中は、完全な暗闇。
エルフが小声で、聞いたことのない言葉を呟く。
すると、部屋のベッドの部分だけ、ぼうっ、と明るくなった。
「おい、このベッドで寝ろって事…」
俺がエルフに尋ねると、エルフが俺の方に歩み寄ってくる気配がする。
「!」
俺は後ずさりし、緊張で身を硬くする。
(俺を刺し殺す気か? 逃げる…か? いやこの暗い森の中をどうやって?)
しかし、エルフの動き、表情からは、殺意を感じることは無かった。
「…?」
エルフが俺の前に立つ。
いきなり背伸びをして俺の首筋に抱きつくと、さっき弓が掠めた頬にできた傷跡を舐め、キスをする。
「おい、何をする! …んんっ?」
エルフが、頬から舌を離すと、今度俺の唇に唇を重ねてきた。
「うむっ?、ん…?」
心臓がバクバクする。俺は何がなんだか分からなくなってきた。
(なんだこいつ? さっきまで俺を殺そうとしてんだろ? なのになんで…俺にキスをする?)
狼狽する俺からすっと離れたエルフが、静かにベッドの埃を払う。
ベッドがきれいになったら、…エルフは暗闇の中で、いきなり服を脱ぎ始めた。
しゅるっ、すとっ。
服が床に落ちる音とともに、その細い肢体のシルエットが、薄暗がりの中に浮かぶ。
「え? は!?」
大きな声を上げた俺をシーっ、と制すると、ベッドに腰掛けたエルフが、俺を手招きする。
「大きな声、ださない」
小さな声で、人間の言葉を、喋った。
「服、脱いで。こっち来て。抱いて」
エルフが、聞こえるか聞こえないかの小声で囁き、ベッドに寝転がった。


…。
激しい生殖行為の後で、寝物語にエルフが言った事をまとめると、だいたいこんな感じだ。
自分が棲むエルフの森では、ここ800年男が産まれてこない。
300年前、その最後のエルフの男が死んだ。
旅回りのエルフの男が外からやってきたのも、200年前が最後で、その男を父親に生まれたのが…彼女。
200年間ずっと、女だけのエルフの森。
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